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地元・石川を思い涙…北川ひかる「パワーを届けられたかわからない。メダルを持って被災地に行きたかった」

ゲキサカ / 2024年8月4日 2時42分

涙に暮れるDF北川ひかる

[8.3 パリ五輪準々決勝 日本女子 0-1(延長) アメリカ女子 パリ]

 怪我の痛みを耐えながらプレーを続けた。だが、延長前半アディショナルタイムに相手選手に突破され、シュートを決められた。日本女子代表(なでしこジャパン)DF北川ひかるは「自分が相手に隙を与えてしまった。その1本で負けたことが本当に申し訳ない」と涙を流した。

 7月13日に北川の地元・金沢で行われた親善試合・ガーナ戦に出場したが、終了間際に負傷した。右ひざ軟骨の損傷で、チームは離脱しなかったものの、グループリーグ初戦はメンバー外。第3節・ナイジェリア戦でオリンピック初出場を果たすと、豪快なFKを決めて復活をアピールした。

 準々決勝アメリカ戦でも左WBで攻守に走った。だが、延長前半開始早々に敵陣に入った際にひざを負傷。数秒間、痛みに顔をゆがめながらも再びプレーを続けた。

 延長前半アディショナルタイム、北川のサイドからFWトリニティ・ロッドマンに仕掛けられた。北川は対峙したが、置き去りにされてシュートを決められる。直後には地面に頭をつけ、悔しさを表していた。延長後半開始前に途中交代。ピッチの外で終戦を見届けた。

 試合後には両ひざをアイシングしており、痛みは相当だったはず。それでも自身のプレーを悔やむ。「自分が対峙する相手だった。延長に入って足がきついとかはあったけど、そのなかでああやって仕留められた。痛みは言い訳にしたくない。攣ったりしたなかでもみんなも頑張っていた。しっかり耐えなきゃいけない場面だった」。涙を流しながら振り返った。

「夢の舞台だった。いままでこの期間全員で戦ってきた。力になれないときも多くて……メダルを取って帰るという目標があったなかで、ここで敗退してしまって本当に悔しい。自分のキャリアで一番大きな舞台だった。もっと選手として強くなりたいとこの大会で感じた」

 今年元日、帰省中に能登半島地震を経験した。日の丸を背負って戦うなか、地元への思いをいつも言葉にして、被災地に勇気を届けようとしていた。

 メダルという結果で、さらに被災地に元気を取り戻してほしかった。「メダルを持って帰ってみんなに喜んでいる姿を見てもらいたかった」と涙があふれる。

「それが達成できず申し訳ない。今後もレベルアップして頑張っていくので、ともに継続して頑張っていこうと伝えたい。地元には強い思いもあってプレーしていた。パワーを届けられたかはわからない。メダルを持って被災地に足を運びたかった」

 これですべてが終わったわけではない。北川は先に目を向ける。「借りを返したいという思いもある。まだやめられない。今後のサッカー人生に必ずつなげていきたい」。その戦い続ける背中から、多くの人がパワーをもらっているはずだ。

(取材・文 石川祐介)
●パリオリンピック(パリ五輪)特集(サッカー)

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