死闘の末に40年ぶりメダル確定…フランス指揮官ティエリ・アンリは安堵「少なくともメダルは決まった」

ティエリ・アンリ監督

[8.5 パリ五輪準決勝 U-23フランス 3-1(延長) U-23エジプト リヨン]

　フランスのレジェンドが母国に40年ぶりのメダルをもたらした。U-23フランス代表は準決勝でエジプトに勝利。決勝進出を決め、金メダルを獲得した1984年ロサンゼルスオリンピック以来40年ぶりのメダルを確定させた。ティエリ・アンリ監督は「率直に言って、少なくともメダルを獲得できるという安堵感はとてつもなく大きい」と笑顔を見せた。

　開催国の威信をかけ、戦いに臨んだ。フランス・リヨンで行われた準決勝エジプト戦には、ほぼ満員近いサポーターが駆け付けた。声援に背中を押されるなか、先制したのはエジプト。後半19分に失点を喫した。

　それでも、勢いはフランスにあった。後半38分にFWジャン・フィリップ・マテタが同点ゴール。1-1のまま90分で決着はつかず。延長戦に突入すると、延長前半早々にエジプトの選手が2度目の警告で退場処分となり、フランスは数的優位に立った。同9分にマテタが逆転ゴールを決め、延長後半3分にはFWマイケル・オリーズがダメを押した。

　アンリ監督は終始テクニカルエリア付近で試合を見守った。逆転した瞬間を振り返り、「救われた感じ」と冗談めかしながら本音をのぞかせた。

　昨年夏からパリ五輪を目指すチームの指揮官に就任。着実にチームを醸成させ、フランス史上2度目の金メダルに王手をかけた。9日の決勝の相手はスペイン。アンリ監督は気を引き締める。

「スペイン戦がどれほど難しいものになるかはよくわかっている。彼らは男女ともによく決勝に来るからね。自分たちに何ができるかは自分たち次第だ。スペインには大きなリスペクトがある。エジプトとの試合はタフだったが、決勝はもっとタフになるだろう」。選手としては出場叶わなかった五輪の舞台で、アンリ監督は金メダル獲得を誓った。

(取材・文　石川祐介)
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