初招集組も躍動。思い背負って戦ったU-17日本代表がBalcom BMW CUP初戦で広島ユースに逆転勝ち!
ゲキサカ / 2024年8月9日 20時39分
U-17日本代表は守備面で前からの規制がかからず、攻撃面でも自陣深い位置からの苦しいビルドアップになってしまう。だが、前半の飲水タイムなどで徐々に修正。朝岡監督が「不効率でも、上手くいかなくても、ハードにやってくれた」と振り返ったように、流れの悪い中でも一人ひとりがハードワークして踏ん張り、1チャンスを活かして同点に追いついた。
前半26分、山本の厳しいチェックからセカンドボールを和田が回収。秦、木村と1タッチで繋ぎ、山本が左足ダイレクトでDF背後へ絶妙なパスを通す。これで末宗が抜け出すと、GKとの1対1から右足シュートをゴールへ沈めた。
前半26分、U-17日本代表MF山本天翔(G大阪ユース)がスルーパス初代表のMF末宗寛士郎(岡山U-18)が同点ゴールを決めた
チーム初シュート、また初代表・末宗の初ゴールで同点に追いついたU-17日本代表は、CB森がDFラインから大きく飛び出してアプローチ。左SB小浦がタッチライン際の守備で身体を張り、右SB小澤は身体を投げ出して1対1を止める。また、広島ユースFW井上愛にドリブルシュートへ持ち込まれたが、CB秦がブロック。幾度か速攻でチャンスになりかけたシーンがあったものの、広島ユースも木吹や林が要所を締めたことでそれを活かせなかった。だが、U-17代表はいずれも守備力の高さを見せる森と秦や、回収力の光る和田らが奪い返す回数を増加。前半を1-1で終えた。
U-17日本代表は後半開始から長、末宗、木村、山口のアタッカー4人に代えて右SH土居佑至(清水ユース)、左SH杉浦誠黎(湘南U-18)、FW中積爲(G大阪ユース)、FW大石脩斗(鹿児島城西高)を同時投入。後半は最前線でのボールキープ、ポストプレーで一際光る動きを見せた大石を起点に、狙いの奪ってから前へ速く攻めることがより表現されていた。
3分に山本の右CKから森が決定的なヘッド。7分には大石が強引にドリブルで前進して右足を振り抜く。その後も山本や中積が攻撃をスピードアップ。広島ユースも橋本のパスで井上愛が抜け出し、そのままシュートを狙う。だが、ここは秦がブロック。さらに井上愛のドリブルシュートをGK萩が横っ飛びで止めた。一進一退の攻防。その中で、U-17代表が2点目を奪い取った。
後半11分、広島ユースFW井上愛簾の左足シュートをU-17日本代表CB秦樹(横浜FCユース)がブロック
後半21分、U-17代表は自陣からビルドアップ。大石からの落としを受けた山本が左足で左前方へロングボールを入れる。これで相手DFと入れ替わった杉浦が、一気にゴール方向へドリブル。「自分、初めて代表選ばれたんで、結果を残してやるって気持ちがあった」という杉浦が、カバーしたDFよりもわずかに速く右足を振り抜き、ファーのネットへ勝ち越し点を決めた。
U-17日本代表FW大石脩斗(鹿児島城西高)が前線で攻撃の起点に後半21分、MF杉浦誠黎(湘南U-18)が勝ち越しゴールチームメートと喜ぶ
広島ユースは27分に宗田をFW菊山璃皇(1年)と交代。ボールを保持しながら圧力をかけ、この日一人で6本を放った小林のシュートなどで反撃する。34分には木吹のキックでDFを裏返すが、これはPAから飛び出したU-17代表GK萩が胸でコントロールし、正確なキックでマイボールにするファインプレー。一方、土居や杉浦が相手の背後を狙うU-17代表は36分、山本のスルーパスで中積が右中間を抜け出し、そのまま左足シュートを放つ。
U-17日本代表はGK萩裕陽(名古屋U-18)も判断良くプレー
今度は広島ユースGK小川が好セーブ。大石を起点に効果的なサイドチェンジも増えたU-17代表だが、3点目に結びつけることができない。38分、U-17代表は小澤と山本を右SB佃颯太(横浜FCユース)とMF今井健人(東京Vユース)へスイッチ。押し込まれた終盤、集中して守るU-17代表はFKからのピンチで中積がゴールカバーし、相手MF野口のパスで背後を取られかけたシーンも小浦が身体を投げ出してクリアする。40+4分、広島ユースは橋本の右CKがニアの203cmCB木吹へ通るが、ヘッドは枠右へ。直後に試合を終了の笛が鳴り、U-17代表が開幕白星を獲得した。
1点リードを守り抜いた
U-17代表の朝岡監督は「全員が100点っていう訳にはいかないけど、ほんとにみんなよくやってくれたと思います。1戦目が1番大事だと思ったし、そういう意味ではここで勝って超えられたんで、ほんとにもっと良くなると思います」と頷いた。試合の中で攻守が改善され、今後の戦いへ向けても弾みをつける勝利。代表チームの責任を持って戦う選手たちは勝つことと活躍することを誓う。
和田は「初戦勝っただけなんで、この後2戦勝って。(ここまで)連覇してるんで、そこはしっかり頭の隅に置いておいて、1試合1試合勝っていきたいです」と引き締める。また、大石は「やっぱり代表っていうのは、サッカーしてる人も、見てる人もみんな注目していると思うんで、プライド持ってどの試合でも多くチャンス作ったり、自分で点決めたりしていかないといけないなって思います」。飛躍を期す各選手、チームが様々な思いを背負って戦い、今後に繋がるような3試合にする。
朝岡隆蔵監督(右端)らがハイタッチ。選手たちは思いを背負って残り2試合を戦う
(取材・文 吉田太郎)
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