[MOM4815]静岡学園DF鵜澤浬(3年)_強敵との戦いでも止まらない。攻撃的左SBが著しい台頭
ゲキサカ / 2024年8月14日 21時30分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.13 ECLOGA 2024 IN ナラディーア 静岡学園高 1-1 昌平高 ナラディーア]
これまではプレーに大きな波があり、主軸になり切れていなかった。それがここへ来てハイパフォーマンスの連続。この日もインターハイ王者・昌平高(埼玉)相手に止まらない。局面を打開する形で左サイドから幾度も攻め上がり、ドリブルシュートを2本、3本と打ち込んでいた。また、プレースキッカーを務めるDFは、左サイドからの右足FKでCB岩田琉唯(3年)の先制ヘッドをアシスト。強豪校対決で存在感を放った。
左SB鵜澤浬(3年=清水エスパルスジュニアユース出身)について、静岡学園高の川口修監督は「(彼の台頭は)デカいよ。相手は困る。スピードもあるし。(一週間前に日章学園高、ブリーラム、札幌U-18と対戦した)北海道3試合はこれよりもっとパフォーマンスが良かった。このレベルで自分のプレーができて、自信がついたと思う」とコメント。今や、Jリーグクラブも関心を寄せるほどだ。
普段から徹底してテクニック向上を目指してトレーニング。加えて、「技術のところももちろん練習してはいるんですけど、アジリティーっていうか、能力のところもやっぱ鍛えていかないとかなと思って。体幹やったり、ガチガチにはやってないですけど、筋トレしたり、そういうトレーニングを積んできて、調子が徐々に上がってるかなって思います」と自己分析する。
チャレンジすることと丁寧にプレーすることのバランスが取れていることも変化の要因のようだ。以前は突破力を発揮する一方、ボランチへ当てるパスがズレたり、ドリブルでロストしたりするなど、ピンチや失点に繋がるミスが多かったという。「それを丁寧にやるけど、自分の強みを出しながらっていう意識でやっています」。初速の速いドリブルでボールを運び、相手DFを攻略。キック精度も備えたDFは今後の活躍が注目だ。
インターハイは初戦と3回戦で先発出場。東山高(京都)との2回戦は交代出場し、ドリブルで流れを変えた。後半ラストプレーの同点ゴールは、鵜澤がドリブルで2人を剥がしたことからスタートしたものだ。これまでSH、SBを兼任も主軸になり切れていなかったが、現在は左SBとして存在感。例年に比べ、ドリブラーが少ないと言われる今年、鵜澤の台頭はチームにとっても大きい。この日、攻守で力を示した注目右SB野田裕人主将(3年)と左SB鵜澤の両SBの存在が、昌平を大いに苦しめていた。
鵜澤は清水ジュニアユース時代、ボランチを主戦場としていたが、ユースチームに昇格することができなかった。当時のチームメートで同じくドリブルを特長とするMF西原源樹がJ2でブレイク中。「もっくん(西原)、中学の頃から凄くて、今もプロで刺激になってますね」。将来の目標はプロだ。この日はシュートのパワーが不足。守備の役割も果たした上で、攻撃によって違いを生み出す選手を目指していく。今後のプレミアリーグや選手権で「レベルも上がると思うんで、その中でもっと自分の強みを変わらず出せていけたら」と言う鵜澤が、活躍を続けて静岡学園を勝たせる。
(取材・文 吉田太郎)
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