分厚い身体とセービングを武器とする関西屈指の守護神。神戸弘陵GK歌野裕大は課題を一つ一つ克服して「「チームを勝たせるようなGKに」
ゲキサカ / 2024年8月21日 9時25分
関西屈指と評される守護神が、「チームを勝たせるようなキーパーになりたい」と誓った。インターハイに出場した神戸弘陵高(兵庫)のGK歌野裕大(3年=サルパFC出身)は、184cm、83kgという恵まれた身体の持ち主だ。
昨冬の選手権では仙台育英高(宮城)、前橋育英高(群馬)を完封。神村学園高(鹿児島)に1-2で惜敗したものの、「(まだまだのところが多いが、)セービングのところは自信があったので、そこで差を見せれたのかなとは思っている」と振り返るGKは、全国デビューの大会で特長を発揮した。
キックも武器としている歌野だが、自分の肉体とセービングがあれば、「チームを救えるかもしれない」と考えてGKコーチとセービング強化に取り組み、強みに変えた。また、「筋肉をつけていかないと」と語るものの、胸板、肩周りの厚みをはじめ高校生離れした肉体を持つなど、そのエンジンは非常に大きい。
「小6まで空手やっててちょっと身体は強かったんですけど。そこからなぜか徐々に体がデカくなった感じです」。小学生時代、サッカーとともに空手の組手に取り組み、兵庫県3位になったことも。異色の経歴の持ち主は、中学生からサッカーに専念し、謙虚に課題改善を目指している。
今夏のインターハイは初戦で帝京高(東京)と対戦し、0-1で敗戦。後半開始直後に直接FKを決められた。「フリーキック1本でめちゃめちゃ悔しい気持ちがあって。ほんとに自分の力不足でもあったし、動画見返しても全然コース甘いところだったので。そこはほんとに悔しかった」。好セーブがあったものの、認めた自身の力不足。悔しさを糧に、その1本をしっかりと止められるようなGKになる意気込みだ。
また、今月18日まで出場した「第3回U-18青森ユースサッカーフェスティバル」ではクロスに対するコーチングが不足していることを実感。「今日(対日大藤沢高、1-2)みたいに負けるんやったら、やっぱダメなキーパーやなって自分で思って。(だからこそ、できなかったことを)絶対持ち帰って、また課題にしてやっていけたらなと思いました」。自覚も高まってきたGKは、課題を一つ一つ克服していくだけ。その歌野の憧れは、2020年度選手権日本一に輝いたGK熊倉匠(山梨学院高→立正大)だ。
「(憧れは、)熊倉君。ほんとにあの大会ずっと見てて、大舞台での活躍ぶりっていうのは、凄いと思ったし、やっぱメンタルとかも強いんだなって思って」。1993年度選手権の8強が最高成績である神戸弘陵を全国常連にすること、新たな歴史を築くことは歌野や選手たちの目標。個人が注目されることよりも、「絶対に自分が出て、チームを勝たせるようなキーパーになりたいなって思っています」という守護神が、秋冬に神戸弘陵を勝たせる。
(取材・文 吉田太郎)
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