待望初先発で存在感もC大阪MF平野佑一「ミッションはクリアできなかった」0-4大敗後、サポーターの姿勢に感じた次節ダービーの意味
ゲキサカ / 2024年8月27日 20時38分
[8.24 J1第28節 横浜FM 4-0 C大阪 国立]
7月以降6戦未勝利という苦しい状況でようやく巡ってきたセレッソ大阪加入後初先発のチャンス。結果的には0-4の大敗に終わり、沈滞ムードに歯止めをかけることはできなかったものの、MF平野佑一が見せたパフォーマンスは異質なものだった。
国立競技場に47926人が詰めかけた一戦。平野はボランチの一角として先発出場のチャンスを掴んだ。今季のC大阪ではシーズン中盤での4-2-3-1システム導入以降、ダブルボランチにはMF田中駿汰とMF奥埜博亮が継続して起用されており、ようやく出番が訪れた形だった。
チームの流れが良くない中、ムードを一変させるというミッションは明らか。「なんとなくモチベーションがないように見えてしまう中、この1週間みんなでまとまって戦おうと入った」という平野も、その意図を強く持って試合に入っていた。
「チームとして難しいことをしても上手くいかない時期なので、自分が模範となってやるところはやるし、はっきり蹴るところは蹴ることを意識して意図的にやっていました」
実際、0-0の時間が続いた前半の存在感は出色だった。まずは前半12分、空中戦を力強く競り合い、そこからMFルーカス・フェルナンデスのビッグチャンスを創出。その後も縦関係を組む2トップのFWレオ・セアラとFWヴィトール・ブエノの個性をシンプルに使うようなプレー選択を続け、着実に有効な攻撃に結びつけていた。
ただその姿勢は結果にはつながらなかった。攻守に多大な影響をもたらすボランチで80分間プレーし、0-4という大敗に終わった以上、自身のパフォーマンスには満足していない。
「勝ちが全てだったので勝たせられなかったのが悔しいの一言。やっぱり勝たせられるようなボランチにならないといけない」
「1試合を通してボランチ2枚が変わっているようなチームが安定した試合運びをできるとは思わないのですごく情けない」
とはいえ既存の枠組みで停滞感が続く中、平野のような異なる個性を持ち込める選手の台頭は一つの光明となる。この日はMF香川真司も3か月ぶりのJ1リーグ戦出場を果たし、起爆剤となり得るシチュエーションを迎えたが、左肘の負傷で再離脱の見込み。平野に託される役割は一層大きくなりそうだ。
何より次の一戦はガンバ大阪とのダービーマッチ。悪い流れを一掃するには格好の舞台となる。
平野はチームの再起に向けて「その試合がこの試合(横浜FM)だと思って全力で挑んだので、ミッションはクリアできなかった」と反省しつつも、大阪ダービーへの意気込みを冷静に口にした。
「わざわざアウェーに来てくれて気持ちよくない試合をしているのにブーイングの声が少なかったのは、次に絶対負けたらいけないという思いが強かったと思う。僕自身は今年入ったばかりで、僕自身もずっと東京にいたので大阪ダービーに対する思いはみんなより少ないと思うけど、試合が終わった後のファンの思い、横断幕を見て、絶対に負けてはいけないなと思った。今日くらいは落ち込んでいても、明日からは切り替えて、ファン・サポーターのためにも大阪ダービーに向けてやっていきたいと思います」
その脳裏に強く刻み込まれていたのは、0-4という大敗にもかかわらず、ブーイングでなくチャントで選手たちを鼓舞したC大阪サポーターの姿。上々の初先発にも悔いを残した背番号4は1週間後、その姿勢に報いるつもりだ。
(取材・文 竹内達也)
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