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わずかな回数も、日韓のU-18代表相手に強烈な動き。無名の2年生FW山崎絢心(富士市立)がSBSカップで爪痕を残す

ゲキサカ / 2024年8月27日 23時52分

後半、静岡ユース(静岡県選抜)の2年生FW山崎絢心(富士市立高)がDF間へ割って入り、PAへ

[8.25 SBS杯 静岡ユース 1-0 U-18韓国代表 エコパ]

 全国的に無名の2年生ストライカーが、U-18日本代表戦に続き、U-18韓国代表戦でもスケールの大きな動きを見せた。

 静岡ユース(静岡県選抜)のFW山崎絢心(富士市立高2年)は、U-18韓国代表戦で後半開始から出場した。後半は2度の大雨に加え、交代枠を使い切った後にDF桶川陸(富士市立高3年)が負傷して最後は10人での戦い。ボールを受ける回数を十分に増やせなかったものの、爪痕を残した。

 後半21分、右サイドを抜け出してPAまでボールを運ぶと、追走してきたDFを切り返しで外し、左足シュートへ持ち込もうとする。また、後半27分には左タッチライン際でボールを受けると、対峙した相手右SBを引き付けながら中へ。そしてボランチが挟み込みに来た瞬間、一気に加速して右SBとCBの間へ割って入った。

 結果、相手CBにブロックされてシュートを打ちきれず、「手応えはあったんですけど、しっかりシュート打ったり、バス出したり、やり切ることが少なかったんで、そこが良くなかったです」と首を振る。回数は少なかったが、それでも才能の一端を披露。同じく交代出場したU-18日本代表戦の動きもインパクトがあった。

 U-18日本代表戦では、後半20分に右サイドから仕掛けると、2つの切り返しで相手DFを抜き切って決定的なラストパス。また、タッチライン際の攻防でDFを背負いながらキープし、中への動きからPAへ対角のパスを通すシーンもあった。そして、精度を欠いたものの、スピードに乗ったドリブルからシュート。FC Fujiジュニアユース(静岡)時代からトップスピードでのコーンドリブルに取り組むなど、磨いてきた突破力やスピード、体幹の強さを強敵相手に発揮した。

 SBSカップでの自身のベストプレーについて、山崎は「(U-18日本)代表の時のぶち抜いたやつはなんかイメージしてたっていうか。あの抜き方で抜きたかったから、ちょっと満足しています。あと、今日(韓国戦、後半27分)の割っていったやつ。最後、(ゴールラインから)出ちゃったけど。あれがプリンス(リーグ東海)とかではできるんですけど、それを代表相手にできたから、良かったです」。今大会は、「選抜とかあんま選ばれたことなくて、(国際試合は)初めてです」という2年生FWにとって貴重な経験となったようだ。

 山崎はプリンスリーグ東海に所属する公立校、富士市立高に在籍。1年時から印象的な動きを見せていたFWは今年、チームの中心選手へ成長を遂げている。今年5月のインターハイ静岡県予選準決勝でも、静岡学園高相手に推進力のある動きで存在感。また、プリンスリーグ東海では四日市中央工高(三重)戦で1試合4ゴールを記録している。

 今回、年代別日本代表歴の持ち主やプロ入りを決めている静岡のトッププレーヤーたちとチームメートとなり、U-18日本代表戦やU-18韓国代表戦を経験したことで目線が上がったことは間違いない。「選手権とかプリンスで得点取ってチームを勝たせられるような選手になりたいです。代表は入りたいですね。練習してもっと上手くなります」。ボールを引き出す動きや判断の速さ、精度もこれからだが、面白い存在。高卒でJリーガーになること、来年のうちにJリーグデビューするという大志も抱く大器が進化を続けてブレイクする。

(取材・文 吉田太郎)

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