[MOM976]松本大MF早河恭哉(3年)_丸刈り頭で目を引き、プレーで魅了…“松大スタイル”でさらなる歴史の塗り替えへ
ゲキサカ / 2024年9月7日 15時34分
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.6 総理大臣杯2回戦 松本大 1-0 国士舘大 めぐみ野B]
指揮官お気に入りの丸刈り頭でピッチを躍動した。「これで目立ってプロになれるなら」。松本大MF早河恭哉(3年=中部大一高)は“トレードマーク”で目を引き、プレーで魅了する。
歴史を塗り替える金星だった。3大会ぶり3回目の出場となった松本大は、1回戦で北海道教育大岩見沢校を撃破。同校初となる全国1勝を飾ると、2回戦では強豪・国士舘大を破り、掲げていた「ベスト8進出」を果たした。
そのチームの要となるのが早河だ。国士舘大戦ではダブルボランチの一角で先発出場し、試合の構築を担った。的確なポジション取りで組み立ての経由地となり、多彩なパスでスイッチオン。ピッチの中から戦況を見つめ、チームが苦しい時には時間を作れるキープ力と賢さを兼ね備える。
「攻撃が強み。パスと推進力のあるドリブル、あとはキーパスを出せるのが自分の武器。そこは見てもらいたい。時間の使い方は大学に入って学んだ。高校の頃はあまり意識していなかったが、青木(智也コーチ)さんから教わり、今日の試合ではそれが活きた」
先制点は早河の右足から生まれた。前半16分に左サイドでコーナーキックを得ると、早河が入れたボールはニアサイドで相手に触られながらも勢いで勝り、そのまま流れる。ファーサイドに構えていたDF河越大が左足で合わせてゴールに突き刺した。
リードを手にしてからは国士舘大の圧力に苦しんだ。「前半の立ち上がりは良かったが、後半はずっとやられっぱなしだった」。同点を狙う相手に押し込まれる時間帯を過ごすも、早川がセカンドボールの回収に努め、流れを渡さなかった。
「守備のところは、大学に入ってから齊藤(茂監督)先生、参沢(篤コーチ)さんなど、松大のスタッフに言われて、最近ようやくできるようになった。入学当初は攻撃しかできない選手だった。本当に良いスタッフに恵まれている」
「勝つことが目標で、その中でも内容にこだわる“松大スタイル”で勝ちたいという思いがあったが、正直、力の差を感じさせられた。自分たちのスタイルで戦い切るのは厳しいと思い、蹴り合いに付き合ってしまったが、その中で勝てたことは大きな成果だった」
攻守において試合の“キーマン”となり、存在感を示した早河。ピッチ上では唯一の坊主頭ということもあり、見る人の興味を引いた。
ヘアスタイルについては「2年生の時にチームで導入しているワンタップ(コンディション管理ソフト)の更新を忘れて、開幕戦の前ということもあってノリでやった」。強要されてやっているわけではないが、「その後の天皇杯予選の(AC長野)パルセイロ戦ですごく目立って、齊藤先生がそれを気に入って、『坊主は目立つから金髪と一緒だ』坊主がいいよと言われたので」とし、継続しているという。
松本大は9日にベスト4進出を懸けて東京国際大と激突する。「このサッカーをしたいと思って松大に入った。次は自分たちのスタイルで戦って、松大の面白いサッカーを見てもらいたい」。早河は攻撃的な松大スタイルを好んで集まった仲間とともに、さらなる歴史の上書きを目指す。
(取材・文 成田敏彬)
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