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[MOM4824]流経大柏DF堀川由幹(3年)_異彩を放つ11番の左サイドバックが「奥を見る目」で証明した進化の証

ゲキサカ / 2024年9月10日 18時33分

「自分のところにこぼれてきた時に、最初は左の柚木を使って中に入れてもらおうかと思ったんですけど、前を向いたらファーで柳澤が1対1になっていたので、相手の頭を越える長いボールを蹴れば、うまく折り返せるかなと思いました」。空中戦に強いDF柳澤寿哉(3年)の状況を見極めると、正確なフィードをファーサイドへ送り込む。

 そこから先のボールは堀川の思い描いたイメージをそのままなぞる。「中には大藤とか大きい選手がいたので、『良い感じに折り返せたら入るかな』と思って、ちょっと長いボールを蹴ったらうまい感じにDFの頭を越えてくれたので、あとは前が決めてくれて良かったです」。柳澤の折り返しをFW大藤颯太(3年)が頭でプッシュ。流経大柏は同点に追い付いてみせる。

 サイドバックでのプレーを重ねることで、自分のプレービジョンの広がりも確実に感じているという。「最初はやっぱり近いところしか見えていなかったんですけど、奥を見れば手前も見えてきますし、ボールを蹴る前に味方の動きをしっかり見ながら、そこで声を掛けて自分の思ったように動いてもらえたら良い形に繋がるので、今日はいつもより視界が広がって見えていたのかなと思います」。

 試合は2-2のドロー決着となったが、攻め込みながらも1点が遠かったチームにゴールをもたらした堀川の『奥を見る目』が、この日獲得した勝点1に小さくない影響を及ぼしたことは間違いない。


 もともとはドリブルで敵陣を切り裂いていくサイドハーフが主戦場。以前から三笘薫のプレーを参考にしてきたが、最近では両サイドバックをハイレベルにこなすポルトガル代表を意識しているという。「今はバックラインなので、後ろで受けるところでは(ジョアン・)カンセロ選手を意識していて、あの選手は周りも見えていて、パスも上手いので、参考にしています」。

 その上で欲しているのは自身の結果。いつだってゴールを追及している男が、ここまでのプレミアリーグで無得点という現状に、到底納得しているはずもない。「自分も後ろの選手になったので、失点にもしっかり目を向けながら、やっぱりまだ点を獲れていないというのもあるので、ゴールを獲ってチームを助けたいなと思います」。やはりその携えているメンタリティは、普通のサイドバックに収まらない。

 2年半の濃密な時間を過ごしてきた、このチームメイトと成し遂げたい目標はシーズン当初から定まっている。個人のステップアップと、チームとしての成果。二兎を追う決意の言葉が、力強く口を衝く。

「個人としてはやっぱりプレミアでしっかりゴールを決めて、年代別の日本代表にも入っていかないといけないと思っていますし、高校年代では敵なしぐらいのサイドバックに、どんなに分析されても止められないぐらいの選手になりたいですね。自分がチームを全国に導いて、選手権でもプレミアでも日本一を獲りたいと思います」。

 流経大柏のアタックを司る11番の左サイドバック。コンバートを前向きに受け入れ、日々たゆまぬ進化を続ける堀川由幹は、果敢に駆け上がっていくそのドリブルで、まだ見ぬ景色を逞しく切り拓いていく。



(取材・文 土屋雅史)
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