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[国スポ少年男子]強度、奪うことへの執念、そして「レンのために」の思いも表現。地元・佐賀県が福島県を下し、初の準決勝進出!

ゲキサカ / 2024年9月27日 20時54分

 長短のパスを特長とする福島のパスの出どころへ圧力をかけ、バックパスの選択をさせたり、その精度を乱していた。セカンドボールへの反応も速く、末藤監督が「僕が通常見ている選手なので信頼していますし、下手くそですけれどもサガン鳥栖らしさを一番持っている選手なので、緊張していましたけれども良くやってくれたと思います」と評した中学生MF吉原や加藤らがマイボールに変えていた。
佐賀はMF吉原勘九郎(鳥栖U-15唐津、中3)が中盤で奮闘
 福島は右SB中村快が強引に前進しようとしていたほか、左SB星山や瀧田が起点となってボールを繋ぎ、若林がスルーパスにチャレンジ。だが、佐賀は坂口や鈴木の対人守備も力強い。DFラインを統率する米湊と井上も危なげない守りを続け、前半の被シュートはゼロだった。
福島は2戦連発中のMF若林衣武希(尚志高、1年)らが相手ゴールを目指した
 その佐賀は19分、高い位置での奪い返しからクロスに真殿が飛び込み、22分には末次の左足ミドルがクロスバーをヒット。その後もセットプレーの流れから米湊が強烈なシュートを打ち込むが、福島GK門井がファインセーブを続けて2点目を許さない。

 後半、福島は最終ラインまで下がって攻撃に係わる瀧田をより活用しながらのビルドアップ。ボールを保持する時間を増やしながら反撃しようとする。10分には寺島に代えてMF齋藤浩司(1年)を投入。だが、直後の11分、佐賀は中村が見事な右足ミドルを突き刺して2-0とした。
後半11分、佐賀MF中村優希(鳥栖U-18、1年)が右足ミドルで追加点
 福島は13分、黒澤に代えてFW玉木聖梛(1年)を、17分には京増に代えてMF郡司翔音(1年)をそれぞれ投入。一方の佐賀も13分に谷をFW原田蓮太郎(鳥栖U-18、1年)へ入れ替えた。

 福島はセットプレーなどからゴール前のシーンを作り、須釜にチャンスも。だが、注目GKエジケの守る佐賀ゴールを破ることができない。対する佐賀は終盤も運動量を維持し、末次らがカウンターからゴールへ迫った。

 試合終盤、福島は中村をMF奥村玲央(1年)へ代え、佐賀は中村、末次、エジケをMF才木隆功(佐賀東高、1年)、DF吉村吏貴(鳥栖U-18、1年)、GK久富一寛(鳥栖U-18、1年)とそれぞれ交代した。スコアは2-0のまま動かず、試合終了。最後まで走り切った佐賀の選手たちに対し、末藤監督は「昨日と違って、やっとらしいゲームができたなっていう感じです」と微笑んでいた。
佐賀は初の4強入り尚志高の16人で挑戦した福島はベスト8で敗退となった
 歴史を変えた今年の佐賀について、指揮官は「今年は個性のある選手が揃っているし、いい意味でデコボコなんですけれども、サッカーで勝つっていう目標に対してはみんなで矢印向けて、一気にやれるような強さがあると思っているんですよ」と説明する。初戦で足首に怪我を負ってベンチにいる大野のために、という思いもチームを一つにしている要因に。この日、谷が先制点を決めた際には「『このポーズをやって欲しい』って言われて、それでみんなでやりました」(谷)というように、足首を触るゴールパフォーマンスをみんなで演じていた。

 末次は初のベスト4について、「昨日から『全員で歴史変えに行こう』って、チーム一丸となって昨日から言ってたんで、それが叶って凄く嬉しいです」と喜び、「昨日から全員で『レン(大野)のために』って言ってたし、全員、レンのために今日も頑張っていたと思います。明後日とか、レンが出られる可能性がまだあると思うんで、レンのために明日も勝って、決勝でまた一緒にプレーしたいと思います」と仲間のためにも決勝進出することを誓った。応援の後押しも受ける佐賀が準決勝も突破し、また一つ歴史を塗り替える。

(取材・文 吉田太郎)

●第78回国民スポーツ大会特集

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