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[国スポ少年男子]後半立ち上がりから10人での戦いも、観衆を“感動させられた”計90分間。開催県の佐賀県が堂々の準優勝

ゲキサカ / 2024年9月27日 18時38分

佐賀県は無念の準優勝も、選手たちは前向きだった

[9.25 国スポ少年男子決勝 佐賀県 1-2(延長)広島県 駅スタ]

 表彰式直後、佐賀県の末藤崇成監督(サガン鳥栖U-15唐津)は、円陣で「良くやった」「ナイスゲーム」「悔しさを次に繋げようぜ」と選手たちに言葉を伝えていた。開催県の代表として大会に臨み、初の準決勝、そして初の決勝進出。佐賀は決勝でも観衆を感動させるような戦いを見せた。

 前半12分に先制され、その後も2度、3度と守りを崩されてシュートへ持ち込まれた。だが、DF陣が最後まで粘ってプレッシャーをかけ、シュートはGKエジケ唯吹ヴィンセントジュニア(鳥栖U-18、1年)がことごとくストップ。すると、前半30分、同点に追いついた。
GKエジケ唯吹ヴィンセントジュニア(鳥栖U-18、1年)はファインセーブを連発した
 MF末次瞬(鳥栖U-18、1年)の右CKをファーサイドのFW谷大地(鳥栖U-18、1年)がヘディングシュート。得点王(他1名)に輝いた184cmFWの4戦連発となるゴールで流れを変えた。佐賀は後半立ち上がり、末次が左足シュートを放ち、また左サイドを崩してFW真殿京佑(鳥栖U-18、1年)がラストパス。勢いのある攻守で逆転を目指した。
前半30分、FW谷大地(鳥栖U-18、1年) が同点ヘッド
 後半5分に守りの要として奮闘してきたCB井上叶翔(龍谷高、2年)が退場。10人での戦いを強いられたが、唯一の中学生MF吉原勘九郎(鳥栖U-15唐津、中3)をCBへ下げ、後半の残り30分間に臨んだ。

 再開直後の相手FKをGKエジケが止めると、その後も広島県に2点目を許さない。的確な守備でボールを握る広島のミスを誘い、速攻を繰り出してMF中村優希(鳥栖U-18、1年)やMF加藤孝一朗(鳥栖U-18、1年)がシュートを打ち込んだ。

 後半半ばは10人で戦う佐賀が主導権を握るような時間帯も。ゲーム主将CB米湊勇弥(鳥栖U-18、1年)が最終ラインを統率し、右SB坂口昊太郎(鳥栖U-18、1年)や左SB鈴木颯真(鳥栖U-18、1年)の運動量や対人の強さも光った。

 吉原が最終ラインに下がったことによって、3人で戦う中盤や2トップも奮闘。特に存在感のある動きを見せていた末次が、ボールを失わずに攻撃のポイントになり続けていた。その末次や加藤らが距離感の良いパスワークを続け、10人の佐賀県が前へ。1人少ないことを感じさせない戦いを見せていた。
主将のMF大野廉門(鳥栖U-18、1年)がベンチから声
 試合は1-1のまま前後半計20分間の延長戦へ。その前半9分にセットプレーから失点したが、佐賀は諦めない。FW原田蓮太郎(鳥栖U-18、1年)が決定的なシュートを放つなど最後まで会場を沸かせ続けた。

 敗れたものの、選手たちからは10人になってからも互角の戦いができたことへの前向きな声。末藤監督も選手たちが勝利への強い思いを表現したこと、「見ている人たちを感動させられた」ことを称賛し、「ありがとう」と感謝していた。

 初戦で負傷してその後チームのサポートに回っていたMF大野廉門主将(鳥栖U-18、1年)は、円陣で素晴らしいチームだったことを仲間たちに伝え、「これからも頑張りましょう」とエール。歴史を変えた選手たちは、決勝進出の自信と敗戦の悔しさをバネに飛躍を遂げる。
ゲーム主将のCB米湊勇弥(鳥栖U-18、1年)が賞状を受け取る堂々の準優勝だった
(取材・文 吉田太郎)

●第78回国民スポーツ大会特集

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