「マンチーニのチームは強くないが?」サウジ記者からの直撃質問に森保監督が異例の共闘願い「全力でサポートして頂ければ」

記者会見に出席した森保一監督

　日本代表の森保一監督が9日、北中米ワールドカップアジア最終予選・サウジアラビア戦の前日会見に出席した。記者会見の場では現地記者から質問が殺到。「マンチーニ監督のチームはなかなか勝てていないので、強いチームではないと思うが、監督にとってはチャンスだと思う。マンチーニ監督の相手を弱いと思っているか?」という率直な質問も飛んだが、森保監督は会場がざわつく中、冷静に相手指揮官への敬意を示した。

　サウジアラビアを率いるロベルト・マンチーニ監督はかつてインテルでセリエA制覇、マンチェスター・シティでプレミアリーグ制覇、イタリア代表でEURO2020を制した実績を持つ指揮官。2023年夏にイタリア代表監督を急遽退任し、サウジアラビア代表監督に就任したが、今年1〜2月のアジア杯ではベスト16敗退に終わり、最終予選でも初戦インドネシア戦に引き分けるなど、苦しい戦いが続いている。

　それでも森保監督は質問に対して「非常に素晴らしい監督なので、間違いなくサウジアラビアのサッカーのレベルアップ、そしてアジアのサッカーのレベルアップに貢献してくれる方だと思っている」と返答。「結果というところは勝負事なので、出たり出なかったりはあるが、マンチーニ監督は(EUROで)ヨーロッパも制している監督で、非常に力のある監督。みなさん全力でサポートしていただければと思う」と異例の“共闘願い”を口にしつつ、「世界的にも結果を出している監督だということで、我々も対戦できることに対して喜びを持って、そしていい試合ができるようにベストを尽くしたいと思う」と力を込めた。

　また続いて現地の名物記者からは「皆さんサウジアラビアにようこそ。ジッダのスタジアムで日本は勝ったことがなく、明日も6万人以上の観客が訪れるが、このサポーターについてどう思っているか」という質問も向けられ、指揮官は「まずは温かく迎え入れる言葉をかけていただきありがとうございます。いつもサウジアラビアと試合をする時はいつも(取材に)いらっしゃってくださっていますよね。お互いアジアを引っ張っていく関係、ライバル関係でありながらもアジアのサッカーの発展に向けて戦っていく中で、友好的な言葉をいただけるのがありがたい」と笑顔で返答。記者の言葉通り、サウジアラビアでのアウェーゲームは過去3戦全敗だが、森保監督は「過去の結果は我々にとって良いものではないが、明日の試合に向けての結果は0-0から始まる。厳しい戦いを覚悟して、勝利を目指して戦うことを準備して全力で明日の試合に臨みたい」と冷静に意気込んだ。

(取材・文　竹内達也)
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