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舞台は整った…思い出の埼スタ豪州戦に田中碧「あの時とはまた違う感情」遠藤航のアクシデントでチャンス到来か

ゲキサカ / 2024年10月14日 19時38分

MF田中碧(リーズ)

 10月のW杯最終予選、埼玉スタジアム2002に迎える相手はオーストラリア。3年前に森保ジャパンの窮地を救った日本代表MF田中碧(リーズ)に再び、ドラマチックな舞台が用意されそうだ。

 日本代表は14日、埼玉スタジアム2002で最終予選第4戦・オーストラリア戦の前日練習を行ったが、思わぬアクシデントに見舞われた。ボランチで最終予選全3試合先発のMF遠藤航(リバプール)が体調不良のため、トレーニングを欠席。オーストラリア戦でも無理はさせないとみられ、欠場が決定的となった。

 このアクシデントに伴い、最終予選3試合でわずか約20分間の出場にとどまっていた田中のボランチ先発起用が浮上。14日の練習後、報道陣の取材に応じた田中は遠藤の体調不良を「そういうものはチームスポーツである以上はある」と受け止めつつ、「チームの総合力が問われると思うので、チームとしてまた違うことをやっていかないといけない」と責任感をにじませた。

 日本代表にとって埼スタでの豪州戦は、21年10月のカタールW杯最終予選第4戦以来3年ぶり。1勝2敗と崖っぷちに立たされていた日本が4-3-3の新システムを採用し、劇的な勝利を飾った一戦だ。この試合で田中は19年のE-1選手権以来3年ぶり、フルメンバーのA代表では初めての先発に抜擢され、A代表初ゴールを決める活躍で窮地の日本代表を救っていた。

 あれから3年。田中は冷静に当時を振り返る。「あの時とはまた何か違う感情であるのは事実。あの時は右も左も分からないまま、ただがむしゃらにやって助けられてサッカーしていた部分もあった中で、今はまた違う。そんなに昔のことは考えず、やるべきことをやれればと思う」。静かに意気込みを口にした。

 もっとも出番が訪れるのであれば、自身のキャリアにとっても重要な一戦になる。田中は今回の最終予選で初戦・中国戦(◯7-0)に19分間出場したが、続くバーレーン戦(◯5-0)、サウジアラビア戦(◯2-0)では出番なし。現状、遠藤とMF守田英正(スポルティング)が盤石のパフォーマンスを見せるボランチ争いの序列を崩すには至っていない。

 その序列は田中自身も認めるところだ。「個人的には課題もたくさんあるな、まだまだ伸び代がたくさんあるなというのを、守田くんとか航くんを見ていて感じる部分もある。それは同じポジションだからではなく、他のポジションの選手からも感じる。それは試合に出ている選手だけじゃなく、自分以外の選手からこういうところすごいなと感じる部分がある」。その現実を成長意欲に変え、毎回の代表活動を過ごしてきた。

 試合に出られない悔しさを抱えながらも、「ここに来ることと、チームが勝つことが何より大事なこと」という姿勢は崩さずにやってきたが、試合に出ることでしか貢献できないこともある。「チームが勝つことが何より大事だし、与えられた役割を全うすることが大事だし、試合に出たら出たでチームが勝つためにやるべきことをやることが大事。自分が持っているものを出せればいい」。求められるのは結果。輝くための舞台は整った。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア最終予選特集

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