[MOM4860]前橋育英FWオノノジュ慶吏(3年)_みんなの「次、1点決めてくれればいいから」に奮起し、決勝点。プレミアEAST得点ランク首位タイ浮上
ゲキサカ / 2024年10月14日 22時16分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.13 プレミアリーグEAST第18節 前橋育英高 1-0 青森山田高 前橋育英高校高崎G]
この日放ったシュートは、計7本。うち1本はPKで、青森山田高GK松田駿(2年)に止められていた。チャンスがありながらも、決められずに迎えた後半37分、前橋育英高(群馬)FWオノノジュ慶吏(3年=FC東京U-15むさし出身)が歓喜の決勝ゴール。右CKのこぼれ球を拾うと、ターンから右足シュートをゴール右へねじ込んだ。
オノノジュはリーグ前期の青森山田戦でもセットプレーのこぼれ球から先制点を決めている。この日もこぼれ球を意識。最後は「ゴール見ずに、もう感覚で、振り向きざまにシュート打って、ゴール決めたって感じです」と微笑んだ。
チームメートたちのお陰で決めた1点だった。「PKも外して、その後も何本かチャンスあって、それでも外して……でも、チームのみんなが自分に怒るっていうよりかは、『次、1点決めてくれればいいから』っていう声かけしてくれたことによって、やっぱ自分、『絶対に決めてやろう』って思って、それも多分、得点に繋がったと思います」。この日、クロスや裏抜けからゴールを狙い続けたFWは後押ししてくれた仲間たちに感謝していた。
オノノジュは昨年度の選手権1回戦で2ゴールの活躍。U-17日本高校選抜でも攻撃陣の要を担ったストライカーだ。今年はなかなか結果が出ずにサイドハーフやサイドバックでテストされた時期もある。
「色々なポジションをやることによって、出し手の視点とか、色々な視点からゲームを見れるようになって。やっぱそういう視点からサッカーを見るっていうことが、FWでのさらなる成長に繋がっていると思ってて、決して無駄じゃなかったなっていうものはあります」。プレミアリーグEASTは、この日のゴールで9得点目。得点ランキング首位タイに浮上した。
自分の武器を整理し、表現できていることも活躍の要因になっているようだ。山田耕介監督は前線から落ちて組み立てに参加するよりも、50m走6秒1、チーム屈指のスピードを活かすことを求めてきた。また、「相手とぶつかっても、絶対にオマエ勝つから」と助言。現在は、多少アバウトなボールでもDFより速く追いつき、前に出るスピードと強さ、そしてパンチ力十分のシュートで対戦相手の脅威になっている。
名将・山田監督は、「PK外したけど、それでも決め切ったじゃないですか」とオノノジュの決勝点を評価。本人はもっと決めなければいけないと反省した上で、「背後に抜け出して時間を作るっていうところが自分の役目でもあって。相手と並んだ時にパワーを使って競り勝つっていうところが監督にも求められてるところでもあるので、そういうシーンをもっと増やしてチームに貢献するっていう部分ではまだまだ課題はありますし、でも少しずつ良くなってきてるんで、選手権に向けてもうちょっと良くしていきたいなと思っています」と力を込めた。
数学や理科が得意科目で、評点は5.0と学業にも可能な限り全力で取り組んできた。目標は大学を経由してプロ入りすること。着実に近づいてきているプレミアリーグEAST得点王を制し、選手権でも個人タイトルを獲得するか注目だ。
「もちろん点決めるんですけど、その状況に応じてそのパスした方がいい時とかはしっかりと味方をにパスを繋いで、確実に得点を取っていくっていう方がチームとしてもいいのかなって思っていて、その中で得点王になれたらいいと思っています」。以前は得意でなかったという長距離走も走れるようになった。残りのプレミアリーグ、大目標の選手権でもチームのために走り、チャンスを作り、ゴールを決める。
後半37分、前橋育英FWオノノジュ慶吏が右足で先制ゴール
(取材・文 吉田太郎)
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