オウンゴールの前にあった“改善できる点”をGK鈴木彩艶が列挙
ゲキサカ / 2024年10月16日 3時20分
[10.15 W杯最終予選 日本 1-1 オーストラリア 埼玉]
事故のような失点場面も日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)にとっては学びの材料だ。0-0で迎えた後半13分、オーストラリアの右ウイングバック、DFルイス・ミラーのクロスに対応したDF谷口彰悟がクリアミス。咄嗟に反応して横っ飛びした彩艶も届かず、ボールは日本のゴールネットを揺らした。北中米W杯アジア最終予選4試合目にしてこうむった初の失点はオウンゴールだった。
GKにとってはノーチャンスにも思える軌道。けれども彩艶としては、「その前の部分で改善できる点があった」と言う。一つはDF町田浩樹からのバックパスを受けた際に相手FWに寄せられたことで、前線へのフィードが短くなってしまったこと。狙いたかったのはセンターサークル付近にいたMF南野拓実の背後だったが、キックの飛距離が不足したため相手にボールが渡ってしまい、そこから日本の左サイドに展開されてクロスを上げられた。
「(南野)拓実くんとも話したが、背後へ蹴ったときにオフサイドが気になって競れなかったと言っていた。僕のキックも、相手が前がかりになっていたとしても左足でもしっかり背後まで蹴りきることが必要だった」
相手にボールが渡ったあとの予測も改善の余地があるという。「最後は後ろ気味(の動き)になってしまった。予測を持って準備していればもう少し(オウンゴールを防ぐ)可能性が広がったと思う」。前向きな反省は尽きない。
日本はその後、途中出場のMF中村敬斗がドリブルで敵陣のポケットに侵入したところから中央へグラウンダーのクロスを供給し、相手のオウンゴールを誘発。1-1で勝ち点1を手にし、グループ首位を守った。
これも彩艶にとって“予測通り”の結果だった。「日本の攻撃陣には得点を取れる選手がたくさんいるので信じていたし、守備陣は複数失点しないという取り組みをしていた。それが結果につながって勝ち点を拾えた」。失点してもメンタルをぶれさせず、落ち着いてプレーすることの重要性をあらためて感じているようでもあった。
試合後はピッチ上ですぐにGK3人で試合の振り返りも行った。「相手のシュートが少なかったので、そういったところで準備が難しいよねという話をしたり、ピッチコンディションがあまり良くなかったという話をしたり、ロングキックを蹴るときの意識など情報の共有をしていた」。総力で手にした勝ち点1だった。
(取材・文 矢内由美子)
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