[関東]4年開幕期に大怪我も奇跡の復活…東洋大FWポンセ尾森世知がデビュー戦で万感ボレー弾「夢なんじゃないかと」
ゲキサカ / 2024年10月16日 16時43分
[10.12 関東大学L1部第17節 東洋大 2-1 東京国際大 AGFフィールド]
チームメイトから「エグっ!!」と声が出る鮮烈なボレーシュートだった。東洋大のFWポンセ尾森世知(4年=柏U-18)は関東大学リーグ初出場となった東京国際大戦でゴールを決め、チームを4連勝に導いた。
ポンセ尾森は東洋大入学以降、怪我に悩まされたこともあってAチームに絡めない時間が続いた。迎えた最終シーズンの今季は前十字靭帯損傷で始まり「結構落ち込んだ」と振り返る。在学中の復帰に黄信号が灯る中で、早期復帰を目指してPRP療法と呼ばれる血小板内の組織修復能力を用いた治療を決断。すると「奇跡的に靭帯が繋がって、またサッカーできるようになった」。大怪我を乗り越えてピッチに戻った。
井上卓也監督によれば前節からメンバー入りしてもおかしくないパフォーマンスを練習で見せていたというが、練習試合で出場時間が短かったため見送っていた。それでも今月6日の練習試合では60分から70分ほどプレーして1得点。長時間の出場も問題ないことが確認され、12日にメンバー入り、しかも先発起用に至った。
本人が先発入りを伝えられたのは試合前日。緊張もあったが「みんな良い言葉をかけてくれて、良い気持ちで試合に臨めた」と満を持してピッチへ。タッチライン際に流れたボールをヒールで巧みに残して会場を沸かせるなど、デビュー戦で持ち味を発揮した。
そして0-1で迎えた前半33分、待望の瞬間が訪れた。MF湯之前匡央(3年=柏U-18)のクロスをファーサイドで収めると、PAの手前から右足ボレー。「トラップがちょっとでかくなったんですけど、落ち着いてミートできた」というボールはゴール右隅に突き刺さった。先発起用に一発回答の同点弾。ゴールの瞬間に飛び上がってガッツポーズを見せたポンセ尾森は「もう夢なんじゃないかと思いました」と振り返った。
ポンセ尾森は父が中米のベリーズ出身。大会への登録は「Ponce尾森世知」とアルファベット表記になっているが、「コーチに英語とカタカナのどっちがいいか聞かれて、英語の方がインパクトあるかなと思って英語でお願いしました」という理由だという。プレーでもインパクトを示す中、「残り少ないですけど普段から仲間と練習や私生活で楽しく過ごせているので、残りの時間を大切に少しでも良い形で終われるようにしたい」と意気込んだ。
(取材・文 加藤直岐)
●第98回関東大学リーグ特集
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