[MOM999]東洋大FW高橋輝(2年)_圧巻4発大爆発!!FW再転向でグレードアップ

4得点を決めたFW高橋輝が喜びを爆発

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.26 関東大学L1部第19節 東洋大4-2関東学院大 東洋大学朝霞キャンパス・サッカー場]

　ド派手な活躍になった。東洋大はFW高橋輝(2年=大宮U18)が前半だけで2得点を奪う展開。後半に入ると2点差を追いつかれる嫌な状況となったが、後半45分、MF鍋島暖歩(3年=長崎U-18)のクロスを高橋が頭で合わせてハットトリックを達成。その5分後には左サイドからエリア内をカットイン。右足で逆サイドネットに豪快に突き刺して、ダメのダメを押した。

　大学に入ってハットトリックは新人戦で記録していたというが、関東リーグではこれまで1試合2得点が最多だった。「前半に2点取っていたので、ハットトリックは頭の片隅にあった。どのゴールがいい?全部好き。全部うまくいったと思います」。小学生の時以来だという1試合4得点に「ちょっと自分でも怖いですね、正直」と、自分でも驚きが隠せない様子の高橋。とにかくこの日は得点のタイミングを含めてすべてが神がかっていた。

　怪我の功名が生んだ4得点でもあった。大学に入ってFWからサイドハーフに転向していた高橋だが、今年6月に右ひざを負傷。しかし離脱期間を経て復帰すると、監督と特に話をしたわけではないというが、起用されるポジションがFWになっていた。体格や特長であるスピードを活かすために自らSH挑戦を志願していた経緯からも抜擢に驚きがなかったわけではないが、実際にプレーしてみると、大学での1年半の経験が自身のFW像をアップグレードさせてくれていたことに気づきがあったようだ。

「相手の懐に入るところだったり、意外とボールを収めることも最近はできている。今はFWが楽しい。でもどこでもできることは大切だと思っている。どこのポジションであれ、出してもらえるポジションで自分の強みをしっかり出したい。ただSHがどういうプレーをFWにしてほしいとか、両方の立場を理解できすので、コンビネーションに活かせているのかなと思います」

　3位と躍進する今季の東洋大だが、残り3試合で首位との勝ち点差が11となったため、優勝の可能性はなくなった。ただ過去最高だった昨年の6位を上回るリーグ戦フィニッシュは決定的になっている。11月2日の次節では首位の明治大と対戦。大学選手権(インカレ)へ向けた自信を積み上げるためにも、絶対に勝利したい一戦になる。

　高橋自身も残り3試合となったリーグ戦で3得点以上を決めて、9得点だった昨年を上回る2桁ゴールを記録して、よりチームに勢いをつけるつもりだ。「前期の(明治との)対戦(△1-1)は正直勝てた試合だったと思っている。その悔しさもあるし、やっぱり上位を倒したい。自分たちには勢いもあるので、その勢いをぶつけたいなと思います」。相手の今季無敗を止めるモチベーションは最高潮に高まっている。

(取材・文　児玉幸洋)