「勝ちは義務ではなく、欲望」。失点も笑顔で切り替え、「勝ちたい」を表現した帝京が東海大高輪台に4発逆転勝ち:東京A
ゲキサカ / 2024年10月28日 13時40分
[10.26 選手権東京都Aブロック予選準々決勝 帝京高 4-2 東海大高輪台高 NICHIBUN SAKURA FIELD]
26日、第103回全国高校サッカー選手権東京都Aブロック予選準々決勝が八王子市のNICHIBUN SAKURA FIELDで行われ、インターハイ予選優勝の帝京高が4-2で東海大高輪台高に勝利。帝京は11月9日の準決勝で東京実高と戦う。
先制点を奪ったのは東海大高輪台の方だった。立ち上がりからテクニックとスピードを兼ね備えたMF川上空(3年)や10番MF沖西堅成(3年)がスキルの高さを発揮すると5分、左中間でフリーのMF櫻田恭臣(2年)がスルーパス。これでFW水島健斗(3年)が抜け出し、右足シュートを叩き込んだ。
前半5分、東海大高輪台FW水島健斗が右足で先制ゴール東海大高輪台の選手たちが喜びを爆発させる
寄せが甘くなってしまい、先制パンチを食らった帝京だが、選手たちの表情には笑顔。U-18日本代表CB田所莉旺(3年)は「暗い顔してマイナスなことを言ってる時が負けがちだったり、折れがちだったんで。(主将のMF砂押)大翔中心に『笑え』っていうか、『楽しんでやろうよ』っていう声があったんで、それで吹っ切れたっていうか、もう行くしかないなって思えたんで、それは良かった」と振り返る。この笑顔でチームは前向きに。失点を引きずらず、試合をひっくり返して見せる。
東海大高輪台は先制後もアグレッシブな攻守を継続し、帝京を押し込んで見せる。だが、帝京はボールを保持しながら押し返すと13分、MF堀江真広(3年)が左ゴールライン際から折り返す。左SBラビーニ未蘭(3年)がスルーすると、背後の10番FW森田晃(3年)が1タッチの左足シュートをゴール左上へ突き刺した。
帝京は前半13分、10番FW森田晃が左足で同点ゴール
帝京は畳み掛ける。18分、MF砂押大翔主将(3年)の右CKをニアの森田がやや距離のあるヘッドで決めて逆転。砂押やMF近江智哉(3年)、MF杉岡侑樹(2年)、MF竹下律(3年)らテクニカルな選手の並ぶ帝京はその後もボールを失わずに前進する。田所の高精度フィードやCB畑中叶空(3年)の運ぶドリブルを交えて多彩な攻撃。そして、右CKから畑中が決定的な右足シュートを放ったほか、ラビーニの左クロスをMF杉岡侑樹(2年)が頭で合わせるなどゴールへ迫る。
帝京FW森田晃は18分に勝ち越しヘッド
また、帝京は切り替えの速い守備。サイドを崩されかけたシーンで田所が巧みに身体を入れ替えてブロックしたほか、畑中や右SB大舘琉史朗(3年)、近江、杉岡のカバーリングなどで要所を封じていた。この日は怪我のGK大橋藍(3年)がマネージャーとしてベンチに入り、大声。代わって先発のGK 尾崎克蔵(3年)も失点後は安定した守りを続けていた。
帝京の注目レフティMF砂押大翔主将は攻守で効いていた東海大高輪台はMF川上空らがテクニックを活かして帝京ゴールに迫った
一方の東海大高輪台は、CB松原翔大主将(3年)がインターセプトから攻め上がりも見せるなど最終ラインで存在感。また、注目の186cmCB安田礼(2年)もギリギリのタックルを決めたほか、空中戦での強さを発揮する。そして、GK山本桐真(3年)が前後半ともにファインセーブを連発。一方の帝京は後半立ち上がりに森田が負傷交代するアクシデントがあった。だが、杉岡が狭い局面を個人技で攻略しようとし、堀江がシュートを打ち込むなど、攻勢を続ける。
帝京はMF杉岡侑樹らが個人技を発揮
そして、15分、中央から杉岡、堀江のパスで相手の背中を取ると、交代出場のFW宮本周征(2年)が鮮やかに決めて3-1。東海大高輪台も19分に櫻田が縦パス一本で抜け出し、決定的な右足シュートを放った。押し返す時間を増やしたものの、追撃することができず、宮本、MF小林爽人(2年)、MF加賀屋翼(2年)、MF渡邉莉太(1年)と交代出場組も個性を発揮する帝京にゴールを脅かされてしまう。
帝京は後半15分、交代出場FW宮本周征が追加点ピッチサイドのチームメートの下へ駆け寄る
後半38分、帝京は宮本が左中間から一人で持ち込み、左足でファインゴール。諦めずに戦う東海大高輪台も40+8分、川上の右足シュートのこぼれをMF山本風雅(3年)が繫いで、FW細沼悠希(3年)が執念のゴールを決めた。帝京は簡単にシュートを打たれるなど反省点があったものの、個々の技術力の高さやゴール前での連動した崩しなど持ち味を発揮して逆転勝ち。準決勝へ駒を進めた。
後半38分、FW宮本周征のゴールを帝京の選手たちが喜ぶ後半40+8分、東海大高輪台FW細沼悠希が執念のゴール
戦後最多タイの選手権優勝6回。高校サッカー界を沸かせてきた帝京は、一時の低迷を脱して近年はプリンスリーグ関東1部で継続して上位争い。インターハイには過去4年で3回出場し、2022年大会で全国準優勝を記録している。
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