浦和復帰後初の左サイド起用で”幻ゴール”生んだMF原口元気「前でやりたい気持ちがずっとあった」
ゲキサカ / 2024年10月31日 4時36分
[10.30 J1第35節 横浜FM 0-0 浦和 日産ス]
待望の2列目起用に応えるチャンスメークだった。0-0のまま終盤を迎えていた後半の後半43分。途中出場の浦和レッズMF原口元気が魅せた。
ボールを運んできたMF中島翔哉から左サイドでパスをもらうと、相手DFと対峙し、ドリブルで中へ切れ込みながら逆サイドの状況を確認。そして、一番遠い位置にいるMF二田理央にサイドチェンジのパスを送った。
二田のヘディングに合わせてFWチアゴ・サンタナがネットを揺らしたが、VARの介入によりオフサイド。それでも原口は「ほとんどゴールだったと思う。(横浜FMは)4バックでウイングの選手が守備に帰ってこないので、左から行ったら右の裏が空いてるし、右から行ったら左の裏が空いている。あそこは狙い通りだった。やっぱりオフェンシブ(なポジション)で出ると楽しいなと思うし、久しぶりにワクワクしてプレーできた」とうれしさを包み隠さず口に出した。
フィジカルコンディションで相手より優位に立っていただけに勝ち点1は物足りなくもあるが、それでもうっすらと笑みが浮かんだ。
「今週は(トップ下と左サイドの)両方を試していた。特に左では練習からいい感触があって、左でチャンスがあればいいなと思っていた。やっぱり左でやるのは楽しい」
9月、2014年夏からプレーしたドイツを離れ、10年ぶりに古巣の浦和に復帰。加入会見では「アタッカーとしてもう一度やりたいという思いがある」と抱負を述べたが、今季途中から指揮を執るマチェイ・スコルジャ監督に与えられたポジションはしばらく3列目が続いていた。
「最初はボランチと言われたけど、自分の中では前でやりたいという気持ちがずっとあった。監督とはずっと話していたし、やっと前で、という考えになってきてくれた。ウイングをやるならまた違う体にしていかなきゃいけないと思っているし、僕にとってすごく面白いチャレンジになる」
次は優勝争いを演じている首位の広島をホーム埼玉スタジアム2002に迎える。原口の加入前だった今季開幕戦で0-2で完敗した相手。ドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督の采配によるサッカーは、好転中である現在の実力を測るバロメーターにもなる。
「ちょっと違うレベルの相手。そこでもう一回、自分たちがどういうプレーできるか。来シーズンに向けて大きな(意味を持つ)試合になる」。原口は静かに闘志を燃やしていた。
(取材・文 矢内由美子)
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