同点PK献上から勝ち越し弾の“天国と地獄”、名古屋MF中山克広は優勝に安堵「とにかくホッとした」
ゲキサカ / 2024年11月3日 9時57分
[11.2 ルヴァン杯決勝 名古屋 3-3(PK5-4) 新潟 国立]
天国と地獄を味わった。名古屋グランパスMF中山克広は後半アディショナルタイムに同点ゴールにつながるPKを献上したが、延長前半には自らのゴールで優勝に貢献。PK判定が出るまでの時間を「正直、もうPKだなという印象があった」と振り返った。
中山は1-2で迎えた後半35分から、試合を締めるべく途中出場。しかし後半アディショナルタイムに5分過ぎ、自陣内でFW小見洋太を倒してしまった。「引っかけてしまったという感覚があった」。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックが入り、主審が確認している間は「うまく自分の気持ちを切り替えようと考えていた」と努めて冷静にいようとしたという。
PKを決められ、2-2で延長戦に突入。すると責任を感じながらプレーを続けた中山に決定機がやってくる。延長前半3分、左サイドからのクロスがPA右の中山のもとへ。「あの瞬間は気持ちが勝っていた。自分が点を取りたいという、チームに迷惑をかけた分、自分がやらないとという気持ちが勝っていたシーンだった」。右足ボレーは相手選手に当たって軌道が変わり、ゴールに吸い込まれた。
「もう本当にホッとしたが一番。とにかくホッとした。でもまだ延長は始まったばかりだったので、もう一回これで気持ちを切り替えてやろうと」。
その後、粘りのアルビレックス新潟に再び失点を喫して3-3。決着はPK戦に委ねられた。中山は7番目のキッカーだったが「順番は回ってこないと言っていた。ミッチ(ランゲラック)も止めると信じていた。5番目で絶対に終わると信じていたの一言」。その言葉通りに5人全員が決め切り、名古屋がルヴァン杯優勝を飾った。
優勝が決まった瞬間は「勝手に涙が出ちゃいました」。PK献上の地獄から、自らのゴール、そして優勝という天国。この試合を「人生が変わるくらいだった」と表現する。ルヴァン杯の感触をしっかりと味わった。「感慨深い。本当に人生でもなかなかないことだと思う。あの感覚は忘れられないし、改めて目指したい」。安堵の表情でさらなる飛躍を誓った。
(取材・文 石川祐介)
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