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[MOM4885]新潟明訓FW田代蓮翔(1年)_対戦相手の下部組織で育った1年生ストライカーが後半ATの劇的決勝弾で王者撃破の立役者に!

ゲキサカ / 2024年11月3日 14時8分

「監督からは『どんどん足を振って、ゴールを決めてこい』と言われました」。もちろん自分もそのつもりだ。短い時間でも、きっとオレなら結果を出せる。雨の降り続く濡れたピッチに、19番を背負った小柄な1年生が駆け出していく。

 ボールの流れは冷静に見えていた。右サイドをMF桑原壮汰(3年)が力強く切り裂くと、GKが触ったボールはファーサイドに流れ、長岡JYFC時代の先輩でもあるMF椿泰一郎(3年)が放ったシュートが、自分の目の前に転がってくる。無心で振り抜いた左足に確かな感触を覚えた瞬間、ゴールネットは揺れ、気付けば大声で叫び、全速力で走り出していた。



 そして、それから程なくしてタイムアップのホイッスルが新潟明訓の選手たちの耳に届く。「これまで加藤(潤)先生とキーパーの人たちも加藤(俐功)くんとか石井(伶和)くんとか(五十嵐)旺清くんとかがシュート練習に付き合ってくれていたので、その成果が出たかなと思います。3年生にこれまで支えられていたので、3年生とまだ一緒にやれると思ったら、本当に嬉しかったです」。そう話した1年生の元に、先輩たちが次々と走り寄ってくる。

「蓮翔は1年生ですけど、点を獲る能力に本当に長けていて、良いところにいるので、やってくれたなと。本当にラッキーボーイです。本当に持っていますね」と笑ったのはチームのキャプテンを任されているFW斎藤瑛太(3年)。後半ラストプレーで生まれた決勝点。1年生ストライカーが重要なビッグマッチの主役を鮮やかにさらっていった。



 実はこの試合に臨むに当たり、少しだけ意識していたイメージがあったという。「最近は漫画の『ブルーロック』をよく見ていたので、『こういう土壇場で決めたいな』と思って、ちょっと『ブルーロック』をイメージしていたら、今日決められて良かったです」。そう話しながら浮かべた笑顔は、高校1年生のそれ。まだまだあどけなさの残る表情が微笑ましい。

 もちろん何より大事なのが次の試合だということは、十分に理解している。試合後は帝京長岡の古沢徹監督や亀井照太コーチ、川上健コーチから激励を受けていた田代にとって、少しだけ背負うものは増えたかもしれない。決勝への意気込みを問われると、シンプルな言葉が口を衝く。

「これから1週間みんなで頑張って、決勝に勝って、優勝できるように自分も頑張りたいです」。

 静かな炎を内側で燃やす、新潟明訓に現れた期待感あふれる1年生ストライカー。田代蓮翔の狡猾な動き出しと、ゴール前で発揮する得点感覚に、対峙するディフェンダーはご注意を。



(取材・文 土屋雅史)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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