[MOM4889]津工MF土谷飛雅(3年)_指揮官も「県で一番上手い」と太鼓判!! 強さも兼ね備えるエースが2点に絡んで決勝に導く
ゲキサカ / 2024年11月3日 19時52分
[11.2 選手権三重県予選準決勝 津工高 2-0 四日市中央工高 LA・PITA東員スタジアム]
大雨によってぬかるんだピッチを苦にせずドリブルでボールを前に運ぶ姿はまさにテクニシャン。「右も左も使えて、三重県で1番上手いと思う」と片野典和監督が称えるのが、津工高の10番を背負うMF土谷飛雅(3年)だ。
この日は試合前から雨脚が強まり、キックオフ後は思い通りにボールを蹴ることすら難しい状態。そうした中で土谷は「今までにないゲームだったので前に押し込むしかないと思っていた。とにかく前に前に行こう。横や後ろの選択はないと思っていた」という。
本来の津工は自陣から繋ぐチームだが、難しいピッチコンディションに合わせて自然と長いボールが増える中、土谷はサイドのスペースに流れてボールを引き出した。受けてからは足元を取られるピッチ状況を苦にせず、ドリブルで推進力を出していく。思い通りのプレーではなかったかもしれない。だが、「とりあえず相手に身体をぶつけることでボールから遠ざける。そこから、タイミングを外してから相手の前に入る」動きは効果的で、攻撃の急先鋒となる役割を担った。
後半1分には自身に決定機が到来。相手GKのこぼれ球に反応した土谷のシュートは一度は防がれたが、2度目のセカンドボールを押し込んで先制に成功。9分には左サイドでのFKをゴール前に送り、2点目を呼び込んだ。準々決勝の海星高戦では直接FKを決めており、今大会はエースに相応しい活躍を続けている。
土谷は三重県名張市の生まれだが、幼少期からドリブルが好きだったため、中学ではドリブラーの名産地として知られるディアブロッサ高田でのプレーを選択。「1年生の頃はパスなしで試合をするなど、ずっとドリブルばかりしていた」という環境で足元の技術を磨いてきた。高校進学も最初は県外のチームを考えていたが、ボールを大事にする津工のスタイルに惹かれ、入学を決意したという。
1年目からAチームに加わり、選手権のメンバー入り。2年目の昨年から主力としてプレーしてきたが、選手権予選の準決勝では自らのファウルで失点して、宇治山田商高に敗れた。迎えた3年目の今年は「自分がやらなければいけないという責任感が芽生えた。キーマンになれるように、引っ張っていける選手になりたい」と自覚十分。当たり負けしないように筋トレを始めた結果、体重が10kg増えたこともプラスに働き、今の活躍に繋がっている。
上手さに強さも兼ね備えた選手に成長し、きっかけさえ掴めばブレイクの可能性は十分にある。より多くの人に注目される選手権は格好の舞台と言える。「2年前の選手権をこれまで忘れずにやってきたので、もう1回決勝で勝って全国の舞台に戻りたい」と意気込む土谷の活躍はまだまだ終わらない。
(取材・文 森田将義)
●第103回全国高校サッカー選手権特集
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