愛工大名電が5年ぶり2度目の選手権に王手! 3年目で越えた“準決勝の壁”…序盤から作戦奏功で東邦を3発撃破:愛知
ゲキサカ / 2024年11月4日 8時51分
試合終了間際の80分に前がかりになった相手の隙をカウンターで突き、FW末永大晴(3年)のパスからMF中根陽向(1年)が3点目をマーク。インターハイ王者を完勝とも言える試合内容で下し、5年ぶりの2度目の選手権出場に王手をかけた。
今年の愛工大名電はリーグ戦で勝てない時期が続いていた。夏休みの遠征でも勝てないどころか、紅白戦でBチームに負けることもあった。「昨年が上手く行っていたから今年もと甘えていた雰囲気がずっとあった」と振り返るのは蒲地陽。スタッフからは「普段の練習で、なぜスライディングが出ないんだ」、「グラウンドが土だから、スライディングできないのか?」とスタッフに厳しい言葉をかけられたこともあったという。
苦しい夏を乗り越え、戦う姿勢が身に付いてきたことに加え、今大会の勝ち上がりも選手たちの成長を促進させている。「成長しているのは人間性というか、粘り強さ。大会が育てている。やっぱり子どもなので諦めてしまう瞬間があったけど、何とか一歩目が出るようになってきている。それは大きい」。そう話すのは宮口監督でPK戦を制した3回戦の刈谷戦、延長戦を乗り越えた準々決勝の日本福祉大付属高戦の経験によって“最後まで頑張れば何かが起きる”という意識が身に付いてきた。
準決勝の壁を乗り越え、残すは決勝のみ。「決勝は3年間で初めてなので、楽しみな気持ちが強い。まだまだこのメンバーでサッカーがやりたいし、勝たせる責任が自分にはあると思う。もう1個笑って終われるように頑張りたい」。蒲地がそう口にする通り、苦しい時期を乗り越えた仲間との時間を終わらせないためにもタイトルをつかみ取る。
(取材・文 森田将義)
●第103回全国高校サッカー選手権特集
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