[MOM4898]上田西FW松本翔琉(3年)_憧れは香川真司、怪我から復帰したレフティーが7年ぶり全国王手の一閃
ゲキサカ / 2024年11月4日 17時46分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権長野県予選準決勝 都市大塩尻高 0-1 上田西高 サンプロアルウィン]
ケガから復帰したレフティーが、鮮烈なミドルシュートで決勝点を挙げた。
31分、ビルドアップからその瞬間は訪れた。2トップの一角を担う上田西高FW松本翔琉(3年)が、相手ボランチの背後に降りてボールを受ける。ドリブルで左斜め前に持ち運び、バイタルエリアから左足一閃。ボールはアウト回転がかかり、GKが飛んだ逆方向に突き刺さった。
「アウト気味のほうが(相手から)逃げるし、スピードにも乗ってくれる。それをこの舞台でやってみて、奇跡みたいなところもあるけど、うまく一回のチャンスをモノにできた」。日頃からショートバウンドのシュートなどで練習してきた形が再現されたという。
過程もイメージ通りだ。開始から右サイドハーフに入っていたが、試合の流れを見てFW柳沢纏とポジションチェンジ。2トップの一角に入り、中盤に降りた流れからゴールが生まれた。憧れる香川真司のように、あらゆるところに顔を出して攻撃を組み立てる。その特長を味方も理解しているため、ゴールシーンでも鈴木悠杏がおとりになるような動きを取り、松本にスペースを与えていた。
4回戦の長野吉田高戦で負傷し、準々決勝の長野日大高戦はベンチから見守った。シーズンを通してケガが多く、この日も60分に足をつって交代するなど、万全のコンディションとは言い難い。それでもチーム最多となる4本のシュートを放ち、上田西を4年ぶりの決勝に導く活躍。フリーマン的な動きが容認されているのも、彼のクオリティがあってこそだ。
2年生からレギュラーに据えてきた白尾秀人監督は、「あとは守備をしっかりしてくれれば…」と笑みをこぼしつつ、「点を取るところをもう少し整理してあげたい」。松本に期待を寄せるのは、あくまでゴールに関わる動き。決勝でもその左足を振るい、チームを7年ぶりの全国出場に導けるか。
(取材・文 田中紘夢)
●第103回全国高校サッカー選手権特集
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