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[MOM4899]長崎総科大附MF高橋駿介(3年)_黒子役を全うした“総附のカンテ”…誰よりも走って中盤を制圧!!

ゲキサカ / 2024年11月4日 18時19分

ピッチ狭しと駆け回った長崎総合科学大附高MF高橋駿介(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権長崎県予選準決勝 長崎総科大附高 3-1 九州文化学園高 トランスコスモススタジアム長崎]

 昔から持久力に自信があり、滅多に足は攣らない。しかし、この試合は珍しく、体力が80分間もたなかった。「自分の持ち味は運動量」。そう言い切った男は限界までピッチを駆け回り、チームのために汗を流した。

 3日に行われた全国高校サッカー選手権長崎県予選の準決勝。九州文化学園高を3-1で下した長崎総合科学大附高のMOMは2ゴールを挙げたFW坂本錠(3年)が妥当だったかもしれない。しかし、定方敏和監督が名を挙げたのはMF高橋駿介(3年=京都JマルカFC COMRADE)だった。

「よう走ってくれました。頑張りましたよ」。長崎弁混じりの言葉で高橋の頑張りを評価した指揮官の言葉通り、誰よりも走った。

 MF宇土尊琉(3年)とボランチでコンビを組んだ高橋は、ゲームを組み立てる役割を相棒に託して自らは黒子役を全う。スペースを埋め、球際では強度の高い守備で五分五分のボールをモノにしていく。その姿はまさに元フランス代表のMFエンゴロ・カンテ(アルイテハド)。後半に入っても足は止まらず、終了間際に足が痙攣して交代するまで玄人好みのプレーでチームを支えた。

 地元は京都。縁もゆかりもない長崎の地で奮戦を続けているが、きっかけは所属していた京都JマルカFC COMRADEのスタッフが、22年1月に亡くなった小嶺忠敏前監督に憧れを持っていたことだった。

 お世話になっていたコーチの夢が「教え子を小嶺先生に預けること」。コネクションはなかったが、知り合いを介して高橋が練習試合に参加。そこで小嶺前監督と初めて対面し、短い言葉ながらも激励を受けた。

「選手権で総附の試合を見たときに縦に早く、前からのプレッシング、ハードワークがすごかった」とサッカーのスタイルに惹かれていた経緯もあり、長崎総科大附への進学を決断。実際に小嶺前監督から指導を受けられなかったが、定方監督や村山聡コーチといった“小嶺イズム”を持つスタッフから学び、ハードワークを厭わない汗かき役としてチームに欠かせない存在となった。
 
 だが、まだ何も成し遂げていない。小嶺前監督好みの戦えるボランチとして1本立ちした男は、17日のファイナルを見据える。

「新人戦もインターハイも国見に負けてしまった。応援してくれる人に2度も悲しい想いをさせてしまっているので、3回もそんな気持ちにはさせられない。この選手権は絶対に出場権を勝ち取って、みんなで国立に行きたいと思います」

 力強く宣言した背番号8は決勝の舞台でも誰よりも走り、仲間のために全力を尽くす構えだ。

(取材・文 松尾祐希) 

●第103回全国高校サッカー選手権特集

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