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[MOM4900]創成館FW酒井瑞生(1年)_大会直前に負傷から戻ってきた“お祭り男”が渾身のダイビングヘッドで値千金の決勝弾!!

ゲキサカ / 2024年11月4日 19時25分

決勝点を記録した創成館高FW酒井瑞生(1年)

[11.3 選手権長崎県予選準決勝 創成館高 2-1 鎮西学院高 トランスコスモススタジアム長崎]

 気が付いたら、身体が反応していた。1-1で迎えた延長戦も残りわずかとなった延長後半5分、創成館高にチャンスが訪れる。DF堤陽来太(2年)が左サイドから右足でインスイングのボールをゴール前に入れると、後半31分に投入されていたFW酒井瑞生(1年=V・ファーレン長崎U-15)がニアサイドに走り込んだ。「無我夢中だったんで」。限界まで身体を伸ばし、頭の先でボールに触れる。ふわりと浮いたボールは相手GK戸田遥大(3年)の頭上を超え、綺麗な弧を描いてネットに吸い込まれた。

「お祭り男」と久留貴昭監督から称され、流れを変える役割を担った男が値千金の決勝弾。後半終了間際に追い付かれたチームを土壇場で救う大活躍となった。

 長崎U-15からU-18には昇格できず、創成館に進学。入学直後からトップチームでプレーする機会を得て、長崎県リーグ1部でも3ゴールをマークしている。しかし、夏に股関節を痛めて離脱。チームに戻ってきたのは今予選が始まる1週間前で、「今も痛み止めを飲んでいる」状況下だが、ギリギリのところで間に合った。

 今予選は攻撃の切り札としてベンチで待機。この準決勝で見事に結果を残したものの、どちらかと言えば、緊張するタイプだと自己分析する。そんな自分を鼓舞するために明るく振る舞っているが、そうしたメンタリティーが試合前に悪い方向へ出たという。

「試合前のウォーミングアップで、クロスからのシュート練習でジャンピングボレーとか派手なことをしていたんです。なので、『浮かれてるんじゃないぞ』と釘を刺しました」(久留監督)

 我に返った1年生アタッカーは緊張もなく、良いメンタル状況でピッチに入ることができた。そうした“心の準備”が勝ち越し弾に結び付いたのは間違いない。そうでなければ、幼い頃から憧れ、長崎U-15がかつてホームとしていたトランスコスモススタジアム長崎で、最高の瞬間を迎える結末もなかっただろう。

「馬力がある」。指揮官から期待をされている男が憧れるのは、FW福田師王(ボルシアMG)やFW高岡伶颯(日章学園/3年)。彼らのように高校サッカーを代表するプレーヤーになるべく、17日のファイナルでも貪欲にゴールを狙って会場を沸かせるつもりだ。

(取材・文 松尾祐希) 
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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