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[MOM4902]東福岡MF塩崎響(3年)_“赤い彗星”を支えるバイプレーヤーが主役に!! 電光石火の開始50秒弾を含む2G1Aの大暴れ!!

ゲキサカ / 2024年11月4日 21時18分

2得点1アシストの活躍を披露した東福岡高MF塩崎響(3年)

[11.4 選手権福岡県予選準決勝 東福岡高 6-0 福大若葉高 博多の森陸上競技場]

 次から次に人が湧いてくる。中盤でボールを動かし、空いたスペースを巧みに利用して相手の守備ブロックを攻略していく。近年、影を潜めていた東福岡高伝統のサイドアタックが復活し、鮮やかなゴールラッシュで12年連続決勝進出を決めた。

 3年ぶりの選手権出場まであと1勝。王手をかけた“赤い彗星”の攻撃陣で一際輝きを放っていた選手がいる。4-1-4-1のシャドーに入ったMF塩崎響(3年=UKI-C.FC )だ。

 最初の見せ場は開始50秒。主将の左SB柴田陽仁(3年)が自陣から前線にフィードを送ると、相手DFがボールを後ろに逸らしてしまう。潮崎はこのミスを見逃さなかった。「走り込めば、相手より先に触れる」。そう信じてスプリントをかけた背番号16はシュートコースを瞬時に見極め、ダイレクトで右足を振ってゴールをこじ開けた。

 リードを奪った後は攻撃の組み立てに関与しつつ、2列目から果敢に前線に飛び出す。労を厭わないフリーランニングで福岡大若葉の守備網を撹乱。5バックを敷いてきた相手に対し、スペースを生み出す動きで決定機に絡んだ。35分にはMF児玉愁都(3年)のゴールをお膳立て。左からのクロスをファーサイドで収め、受け手がシュートに持っていきやすい場所にボールを置いた。

 2-0とした後半の立ち上がりにも好機に絡み、2分にMF神渡寿一(3年)のラストパスに反応。ゴール前の混戦を抜け出すと、冷静に右足でゴールを射抜いた。19分にお役御免となったものの、チームへの貢献度は計り知れない。「塩崎の2点がなかったら、試合はどうなっていたか分からなかった」と平岡道浩監督も賛辞を送る。

 シャドーのポジションで目覚ましい活躍を見せた塩崎だが、1、2年次は試合に絡めず、怪我も多かった。苦楽を共にしてきたキャプテンの柴田は言う。

「本当に辛い想いしていたはず。でも彼なりの信念があった」

 どんなに苦しいことがあっても腐らない。居残りでシュート練習に励み、来るべき時に備えて直向きに努力を重ねてきた。

 迎えた高校ラストイヤー。「持ち味はボール奪取」と本人が言うように元々はボランチのプレーヤーだったが、得点力を評価されて2列目でも起用されるようになった。絶対的なレギュラーではなかったが、バイプレーヤーとして重宝。U-18高円宮杯プレミアリーグWESTでは18節終了時点で9試合の出場で3ゴールをマークするなど、着実に成果を表してきた。

 地道に積み上げ、今回の準決勝では先発に抜擢。指揮官の期待に応える2発でヒーローになった。再び主役になれるか――。“赤い彗星”を支えるバイプレーヤーは、10日の決勝でも貪欲にゴールを狙うつもりだ。

(取材・文 松尾祐希)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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