[MOM4901]市立長野FW金子陽太(3年)_快足と洞察力で魅せた1得点&PK奪取、ゴールパフォは“ディバラマスク”
ゲキサカ / 2024年11月5日 11時10分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権長野県予選準決勝 松本国際高 1-3 市立長野高 サンプロアルウィン]
自慢の快速を飛ばしまくり、王者を苦しめた。
ビルドアップを貫く市立長野高において、FW金子陽太(3年)は異才を放つ存在だ。足元がさほど器用なわけではないが、最前線で攻守にスピードを生かす。スタミナにも自信があり、この日も最後まで足が止まらなかった。
6分、ボールを持った相手GK荒川弘樹にプレスを仕掛け、ロングフィードに対して体を当てる。そして8分、バックパスを受けたGK荒川に再び襲いかかり、今度は完全にボールを奪取。取り返しに来た守護神を冷静に交わし、無人のゴールに流し込んだ。
「ロングキックに対して1回(体を)当てた時に、持ち方とか蹴るタイミングがなんとなく分かった。取れちゃいそうな感じがあったので、勝負してみたら見事に取れた」と自画自賛。前線からの守備で快速を生かし、開始早々に先制点をもたらした。
攻撃でも素早い反応が光った。42分、CKのチャンス。ニアでDF酒井暖が頭でそらすと、ファーの金子がマーカーを振り切って押し込みにかかる。たまらず相手が後ろから引っ張り、倒されてPKを獲得する。これを味方が決めて、リードは3点に広がった。
「1回目のCKで結構つかんでくるのは分かった。ファーに流れてくるのも読んでいたので、うまく逃げて押し込もうとした」。相手の特徴を把握した上で、スピードという武器をどう生かすか。能力と洞察力が相まって2得点を演じた。
終盤にもカウンターから最終ラインの背後に抜け出したが、足がもつれてコントロールできず。「前半で交代してもいいというくらいの勢いで走っていた。もう1点取ってチームを楽にさせたかったけど、限界だったかな…」。2点目とはならなかったが、それも限界まで走り抜いた証だ。
2年前、準々決勝で敗れたチームには兄の太一がいた。「僕より上手だった」と話す兄がスタンドで見守る中、殊勲の先制点。満面の笑みでスタンドに駆けつけ、憧れるパウロ・ディバラのゴールパフォーマンスで喜びを表した。
チームは3年ぶりの決勝進出。兄もたどり着けなかった大舞台で、再びパフォーマンスを披露できるか。
(取材・文 田中紘夢)
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