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[MOM4903]履正社GK新宮尋大(1年)_「苦手」なPK戦でヒーローに!! 先輩のアドバイスも参考に2本ストップで決勝へと導く

ゲキサカ / 2024年11月5日 12時6分

 ただ、苦手にしているからよく考えてPK戦に挑んだ側面はある。控えのGK柴原雄生(3年)のアドバイスを参考にしながら、相手の特徴をよく分析していた。「興國は蹴る前にコースを見てくるタイプで、弾丸系のシュートはない。見てくるタイプなら、なるべく我慢して、蹴ってから跳んでも良いかなと思っていた」と1本目は実験的に少し遅れたセービングにトライ。以降はタイミングを微調整した結果が左に跳んで防いだ相手4人目のセービングに繋がった。

 続く5人目は、キッカーがボールを置いた瞬間にコースが分かったという。「1本止めているし、スコアもドローだったので、先に読んで外れても良いやという気持ちで跳びました」と右に跳んだ結果、見事に読みが的中。続く後攻・履正社のキッカーが成功し、勝利が確定した。

 武器は安定したセービングと1対1の守備対応。177cmながらも、入学直後から定位置を掴んだ通り、GKとしての能力は高いが、サッカー選手としてのキャリアはまだ浅い。小学5年生になるまでは、たまにボールを蹴るぐらいでサッカーとは無縁だったが、キーパーグローブに憧れてGKとしてサッカーを始めた。「サッカーは難しいけど、シュートを止めるのは楽しい」とすぐさまGKというポジションの虜になった少年は、憧れのガンバ大阪のGK東口順昭を参考にスクスクと成長していった。

 1年目から出場機会を重ねた経験は大きく、大舞台であっても動じないメンタルも身に付けている。よりプレッシャーのかかる決勝でも再びヒーローになる予感が漂う。「PKを狙っていてもだめなので、無失点を目指したい。まずは80分でしっかり決めきることを意識したい」。そう意気込む守護神の活躍は、まだこれからも続く。

(取材・文 森田将義)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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