[MOM4905]阪南大高DF藤本瞬(3年)_目立つタイプではないが「一番良い選手」…“やばい”プレーで逃げ切り勝利に大きく貢献!!
ゲキサカ / 2024年11月5日 12時28分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.4 選手権大阪府予選準決勝 桃山学院高 0-1 阪南大高 ヨドコウ桜スタジアム]
阪南大高の右SBを務めるDF藤本瞬(3年)は、決して目立つタイプの選手ではない。長い間、傍でずっと見ているからこそ分かる職人肌の選手かもしれない。「かなり能力が高いと思う。目立たないけど、一番良い選手じゃないですかね。人に強くて、安心して見ていられる選手」と評するのは濱田豪監督。ゲームキャプテンを務めたDF弥榮琉(3年)もこう続ける。「藤本はだいぶやばい。何も考えていなそうに見えるけど一番走るし、守備でも一番止める。相手にバレていないのですが、一番守備ができる。予測もアジリティーもやばい」。
桃山学院高と対戦した準決勝は、“バレていないけどやばい”藤本の存在が際立つ試合展開となった。今年のチームのストロングポイントはMF柏大輝(3年)とMF硲冬真(3年)の両翼によるサイドアタック。藤本はボールを持ったら前方にパスを配給し、2人の良さを引き出していく。自身も運動量に自信があるため、機を見てはタイミングよく大外を駆け上がって攻撃に厚みを加えていた。
チームへの貢献は攻撃面だけに留まらない。相手のカウンターを受ける場面が増えた後半に入ってからは、守備能力の高さが際立ち始めた。「CBは相手のマンツーマンで2対2の状況。1人が強く前に出て、余っているDFの3人で絶対にカバーをしようと思っていた」と振り返った通り、アタックした選手のこぼれ球を拾うのが与えられた役割だった。
後半21分にはFW岡村匠真(3年)からのパスを受けたMF谷本龍平(2年)にゴール前を潜り込まれそうになったが、並走した藤本が粘り強く対応して防いだ。28分にはカウンターで右サイドを抜けた谷本がゴール前に速いボールを展開。中にいた選手に渡りかけたが、素早く中央に入った藤本がクリアした。我慢の時間が続く中でも無失点で保てたのは藤本の存在が大きかった。
「周りのレベルが高くて、競争が多かった。だから、自分も成長できた」と振り返る大阪市ジュネッスFCではもともとCBとしてプレーしていたが、中学2年生の終盤に右SBへとコンバート。自信のあった対人守備に磨きをかけながらも、これまで経験がなかった攻撃を身に付けるため、クロス練習に励んできた。
高校選びは当初、県外のチームも考えていたが、「学校が家から遠かったら、帰る時間が遅くなって、サッカーに費やす時間が減る。家から近いし、グラウンドが学校から近いのですぐ練習ができる環境が魅力だった」との理由で、自転車で通える阪南大高を選択。1年目の夏からAチームに加わると、2年目からはチームに欠かせない存在として出場機会を伸ばしていった。
「これまで見てきた右SBであれだけずっと安定している子はなかなかいない。本当に波がない。個でぶち破られることはまずない」と賞賛の言葉を贈るのは濱田監督で、これほど心強い選手はいない。決勝でも派手ではないものの“やばい”プレーを繰り返してくれるはずだ。
(取材・文 森田将義)
●第103回全国高校サッカー選手権特集
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