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「絶対王者をどこが食うか。その筆頭になっていこう」岐阜・大垣日大、帝京大可児に挑んだ決意の晴れ舞台

ゲキサカ / 2024年11月8日 13時30分

MF藤本要(3年=星和中、写真右から1人目)が一時同点に追いつくゴール

[11.2 選手権岐阜県予選準決勝 帝京大可児高 4-1 大垣日大高 長良川球]

 県予選準決勝という晴れ舞台に立ち、絶対王者の帝京大可児高に必死で食らいついた大垣日大高だったが、最後は相手の破壊力に屈した。試合後、吉田翔平監督は「帝京大可児さんは県内では絶対王者。そこを他のどこが食うかという構図になっている中、その筆頭になっていくと常々言ってきたし、それを目標にして一生懸命努力をしてくれた」と選手たちを労った。

 大雨の中で行われた岐阜県準決勝。大垣日大は4連覇王者の帝京大可児に対し、互角の前半を繰り広げていた。

 相手の中盤には素早く寄せて自由なゲームメイクを許さず、ひとたびボールを持てば左サイドでMF加藤豪(3年=西濃シティ)が鋭いドリブル突破を繰り返す。また右サイドでは1トップのFW沢田泰和(3年=メジェール岐阜瑞穂)が流れたり、サイドハーフのMF栗田陸翔(3年=若鮎長良FC)が縦に抜けたりとダイナミックな攻撃を狙いを持って展開。前半14分に相手のエースFW加藤隆成(3年)のスーパーロングシュートで先制点を与えたものの、その後も一歩も引かない攻防を演じた。

 すると前半40分、狙いを持っていた右サイド攻撃が結実。縦に抜けた栗田のクロスにFW藤本要(3年=星和中)がニアサイドで合わせ、同点弾を突き刺した。「トレーニングでやっていることを子供たちが自信を持って、勇気を持ってやってくれた。もちろん相手の分析があり、こちらの対策がありということになるが、みんなしっかりと落とし込んでくれたし、それを体現してくれた」。指揮官にも手応えの残る内容で試合を運んでいた。

 ただ、得点直後のプレーが大きく響いた。歓喜も冷めやらぬ前半40分、一気にギアを上げてきた帝京大可児の波状攻撃を真正面から受け止めると、クロス攻勢にふわっと対応してしまい、最後はゴール前で戻りながらの対応によるオウンゴールで失点。それまでは中盤で組織的な守備ができていたが、自由にクロスを上げられたことが悔やまれた。

 そうして1-2で後半を迎えた結果、さらに2点を追加されて1-4で敗戦。帝京大可児の吉田監督は「選手たちが諦めずに前半のうちに追い越せたことがこの試合の決め手になった」と勝因を口にしたが、大垣日大としては、同点に追いついた勢いを維持できなかったことが勝負の行方を分けた。

 また大雨の影響も大きかった。相手のパスワークを逆用する準備はできていたが、ピッチコンディションによって相手も思い通りの攻撃をできず。指揮官は「雨が逆にゲームスピードを上げていた。相手がゆったり回す中、可変したところに人を当てて行ったり、中に絞ってきたところからカウンターを打ったりすることをイメージしていたが、その点で向こうもこちらも意図する展開ではなかったかもしれない」と振り返った。

 それでも準決勝という大舞台で絶対王者に挑んだ経験は今後への大きな糧になるはずだ。ルーキーのDF安藤稜晟(1年=FCヴィオーラ)がプレースキックなどで絶大なインパクトを見せ、MF薫田翔元(1年=FC DIVINE)もMF渡邊朝日主将(3年=翼FCレインボー垂井)に支えられながら中盤でのゲームメイクを担うなど、下級生も存在感を発揮。「いる選手の力を最大限発揮できるようなマネジメントをしていきたい」と話す指揮官は「こうした場数を踏んだ選手がこれからもっと増えていけば」と王者喰いに期待を示した。

(取材・文 竹内達也)
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