[MOM4918]矢板中央DF山村瞳輝(3年)_準決勝の舞台でトップチーム初弾も!! 腐らずに戦い続けてきた苦労人が攻守に躍動!!
ゲキサカ / 2024年11月10日 13時56分
[11.9 選手権栃木県予選準決勝 矢板中央高 5-0 足利大附高 栃木県グリーンスタジアム]
1年次はルーキーリーグで多くの出番を得られず、2年次は県リーグ1部で戦っていたCチームが主戦場。迎えた高校ラストイヤーはトップチームで活動できたものの、プレー機会はプリンスリーグ関東2部から県リーグ1部に降格したBチームがメインで、昨季と同じ場で研鑽を積んだ。夏のインターハイではメンバー入りしたが、Aチームが参戦するプリンスリーグ関東1部では1試合に出場したのみ。今季に入って思うようにプレーできていない現実を受け入れられず、寮で木村大地GKコーチに「なんで試合に出られないんですか?」と尋ねた時もあった。それでも、自分の立場を受け入れ、矢板中央高DF山村瞳輝(3年=FC JFC)はひたむきに取り組んできた。ようやく、巡ってきたスタメン出場の機会。無駄にするわけにはいかなかった。
矢板中央は9日、全国高校サッカー選手権の栃木県予選準決勝で足利大附高と対戦。5-0の勝利を収め、2大会連続の全国行きに王手をかけたが、快勝した裏でチームは緊急事態に陥っていた。大会前にDF清水陽(3年)が負傷し、ベンチから外れることに。さらに準決勝の4日前にDF小倉煌平(3年)が額を裂傷し、準決勝は控えに回った。3バックで戦うチームは最終ラインの見直しを迫られ、白羽の矢を立てられたのが山村だった。
3バックの左CBでスタメンに抜擢されると、強度の高い守備で相手のカウンターに対応。「コーチングがまだまだで、多少危ないシーンもあった」と本人は反省の弁を口にしたが、DF佐藤快風(3年)とDF永井健慎(2年)とともに最終ラインで奮戦した。
本職の守備面に加え、準決勝では攻撃面でも活躍。前半23分にFKの流れから生まれた先制点の場面ではゴール前で競り合い、ゴールの起点となった。さらに1-0で迎えた後半8分にはMF平野巧(2年)のFKに合わせる。ヘディングでネットを揺らし、トップチーム初ゴールを奪った。
先発出場を伝えられたのは試合当日。しかし、「スタメンか分からなかったけど、紅白戦ではレギュラー組でプレーしていたので予感はあった」と振り返り、緊張はなかったという。
怪我人の穴を埋める活躍を見せた山村にとって、大きな一歩を踏み出したのは間違いない。16日の決勝に向け、大きなアピールにもなった。高橋健二監督も賛辞を惜しまない。
「よくやってくれましたよ。小倉が額を切ってしまって、清水もいない。その中でよく戦って、2点目まで取ってくれた」
チームを救う活躍を見せた山村の物語はまだ始まったばかり。控えに甘んじるつもりはない。さらなる飛躍を目指し、決勝の舞台でも矢板中央のために戦い続ける。
(取材・文 松尾祐希)
●第103回全国高校サッカー選手権特集
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