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[MOM4927]國學院栃木GK高橋滉平(3年)_中学時代は出場機会を得られなかった守護神が準決勝の舞台でヒーローに!!

ゲキサカ / 2024年11月11日 18時12分

決勝へと導いた國學院栃木高GK高橋滉平(3年)

[11.9 選手権栃木県予選準決勝 國學院栃木高 1-1(PK3-2) 佐野日大高 栃木県グリーンスタジアム]

 今でも覚えている。高校までGKとして活躍した父の影響で小学校5年生の時にフィールドプレーヤーから転向した。「シュートを止めることが楽しい」。最初は半信半疑だったが、思っていた以上に面白さがあった。そこから始まったGKとしてのキャリア。GK高橋滉平(3年=東松山ぺレーニア)にとってゴールマウスが自分の居場所となり、ジュニアユース年代でも毎日のようにボールを追い続けた。しかし――。公式戦のピッチに立つ機会はなかった。

 迎えた國學院栃木高での日々。「GKの人数が少ないから出場機会を増やせるかもしれない」という想いで新たな土地にやってきた高橋は懸命にトレーニングを続け、最終学年でレギュラーポジションを手にした。

 初めて味わう公式戦の緊張感は今までにないモノ。ピッチに立つ喜びを感じ、正GKとして迎える最初で最後の選手権予選も楽しんでプレーができていた。

 そうした状況下で巡ってきた準決勝の舞台。ロングボールを多用する佐野日大に対し、173cmと小柄な身体を目一杯使って相手の猛攻を凌ぎ続ける。最終盤に同点弾を許したが、それでも下は向かずにひたむきなプレーで仲間を鼓舞。延長戦では失点を喫さずに勝負の行方はPK戦に委ねられた。

「彼はPKに強い。試合前日のトレーニングでも結構止めていたんですよ」(武井択也監督)

 佐野日大が先攻で迎えた1本目。追い付かれた立場としては弾みをつけるためにも止めたい。そうしたプレッシャーが懸かるなか、右に飛んで完璧にストップした。

「1本目は相手も結構プレッシャーがある。止められれば楽になる。止めた瞬間、これは勝てるぞと感じた」(高橋)。

 2本目で味方が外し、振り出しに戻ったが、相手が4、5本目を連続で失敗。チームの勝利が確定すると、とびっきりの笑顔で仲間の下へ駆け寄った。

 中学時代には味わえなかった公式戦の舞台。緊張感を良い意味で楽しみながら、國學院栃木の守護神として躍動している。だが、まだ終わっていない。16日の決勝で矢板中央高を倒すミッションが残されている。昨季は後半アディショナルタイムに先制されて直後に同点に追い付いたものの、最後は延長戦で失点して敗れた。その光景は今も脳裏に焼き付いている。

「去年も惜しいところまで行って勝てなかった。絶対に俺たちが全国に行く」とは高橋の言葉。力強く宣言した守護神は、大一番でも誰よりも楽しんでチームを勝利に導くつもりだ。

(取材・文 松尾祐希)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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