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[選手権]ノーシード松山北が愛媛県制覇!受験控える3年生は夏で引退、唯一の3年生MF森隼人は小中高3世代で全国大会へ「全力をぶつけたい」

ゲキサカ / 2024年11月12日 17時29分

松山北はノーシードで全国へと勝ち上がった

[11.10 選手権愛媛県予選決勝 新田1-1(PK1-4)松山北 ニンスタ]

 愛媛県予選は、ノーシードから勝ち上がった松山北高が頂点に立った。「愛媛県で今まで、1回戦から優勝したのは松山北だけ。(過去に)新人戦も県総体も松山北は1回戦から優勝しているんです」。兵頭龍哉監督は誇らしげに話した。

 松山北は高い進学実績を持つ県立高。そのため、サッカー部員の3年生の多くは夏の総体予選が終わると、受験勉強に専念するために退部する。それでも毎年数名が学校と話し合って選手権予選まで残るが、今年は10番をつけるボランチ、MF森隼人だけという状況だ。

 森は選手権への憧れからギリギリまで受験勉強と並行することに決めた。愛媛FC U-15出身で、ユース昇格の話もあったが、勉強との両立を考えて松山北進学を選んだ経緯もあった。自分を慕って愛媛U-15からやってきてくれた後輩たちの存在も、背中を押してくれたようだ。

「自分が北高に勉強とサッカーの両立を考えて入った中で、下の子たちも入ってきてくれた。それがきょうの勝利にも繋がったと思うので、そこは本当に嬉しく思います」。この日のスタメンに愛媛FCアカデミー出身者は、森を含め6人が並んでいた。

 2週間後に推薦入試を控えるため、「1回切り替えたい」と話した森も、年末の全国の舞台へのはやる気持ちを隠し切れない様子。個人的には帝人SSでプレーした小学校時代、愛媛U-15時代を含めて3つのカテゴリのすべてで全国の舞台を踏むことにもなった。「強いチームとやることは間違いないけど、そこに屈することなく自分たちができることをするだけ。自分たちの全力をぶつけたい」。

 そして夏で退部した仲間たちの想いも当然背負って年末の戦いを迎える。この日の決勝戦でも、その仲間たちの多くが応援席から声援を送っていた。「選手権で結果を出してほしいと言われていた。それで優勝できたのでよかったです」。自分の決断を信じた唯一の3年生が、憧れのピッチに立つ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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