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苦しんで、苦しんだ末につかんだ全国切符…京都橘が東山をPK戦の末に下して2連覇達成!!:京都

ゲキサカ / 2024年11月16日 18時9分

 それでも守備で、特に自陣での攻防では強さを発揮した。中盤は上下動やスライドで足を動かし続け、最終ラインは押し込まれた局面で耐久力を発揮。ピンチの場面ではGK平が好セーブを連発して失点を許さない。

 中でも効いていたのが宮地とDF増井那月(3年)だ。二人とも元々は攻撃的な選手だったが、前半戦で失点が続いた状況を改善すべく後半戦から宮地はCBへ、増井は右SBへポジションを移した。当初は「なんでやねん、みたいな気持ちもあった」(宮地)と振り返るが「DFのポジションでもチームを引っ張ることなど、できることはいくつもあると気付いた。自分の役割をこなして、チームの為になればと考えて取り組みました」(宮地)、「FWで出たい気持ちもあったけれど、第一に考えるのはチームのこと。自分のできることを精一杯やろうと思った」(増井)と苦戦が続くチームの立て直しのため、求められたポジションで最善を尽くした。

 決勝戦でも宮地は守備対応や空中戦で一歩も引かないプレーを見せ、プレーが途切れた際はチームメイトに声をかけ続けてキャプテンとしてチームを引っ張った。増井も右サイドの攻防で身体の強さを見せて相手の侵入を食い止め、攻撃に出て行けるようになった時間帯では積極的にドリブルを仕掛けている。米澤一成監督は「彼らがDFの選手でないことはわかっているが、監督としてチームが勝つための方法を模索しないといけなかった」と苦渋の決断の末のコンバートだったことを明かしており、実際にその効果は大きかった。そうした取り組みの成果もあり、なんとか無失点で前後半や延長戦を戦い抜き、スコアレスでPK戦へと突入する。

 PK戦では先攻の京都橘が1人目と2人目を成功したのに対し、後攻の東山は1人目のキックがクロスバーを叩き、2人目のキックはGKに止められる。互いに3人目は成功して迎えた4人目。京都橘はMF執行隼真(3年)が成功させて、PK戦を4-1で制した。

 勝った京都橘は2年連続で全国大会出場へ。今年はプリンスリーグ関西1部で残留争いを強いられており、夏には部員の不祥事が起こり、本来は強化のためにフェスティバルなど遠征へ出向く時期に活動自粛が続くなど、苦しいシーズンを過ごしている。「サッカーをやらせてもらえることへの感謝を改めて認識して、サッカー部としてのあり方も見つめなおす時間になりました」(米澤監督)ということを経て挑んだ後半戦、そして選手権予選だった。苦しんで、苦しんだ末につかんだ全国への切符。「ここから全国大会までの期間が、一番成長できる」(米澤監督)。京都府優勝に貢献した選手も、できなかった選手も、全国までの約1か月半という限られた時間で自分たちにできることに向き合い、成長を誓って、憧れの舞台へと挑む。

(取材・文 雨堤俊祐)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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