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[MOM4934]大津FW山下景司(3年)_「1点取ったら止められない」エース、警戒強まる中でも2試合連続ハット達成!!

ゲキサカ / 2024年11月17日 7時30分

2試合連続ハットトリックを達成した大津高FW山下景司(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.16 選手権熊本県予選決勝 大津高 4-0 東海大熊本星翔高 水前寺競技場]

 大津高のエースFW山下景司(3年)に対するチームメイトの信頼は厚い。「調子がいい時は、誰も止められない。点を取りまくる。どんな形でも一点は一点という考え方で、どん欲にゴールを狙っている。全国でもトップレベルだと思う」。そう評するのはMF嶋本悠大(3年)で、東海大熊本星翔高との決勝では後半4分の先制点で勢いに乗るとハットトリックを達成した。

 終わってみるとゴールラッシュとなったが、前半は5バックで守備を固めた相手に苦しんだ。「会場の雰囲気を含めて、東海大星翔は気合が入っていると感じていました。何とか1点決めて雰囲気を変えたかった」と話す山下は、前半14分にDF野口悠真(3年)の右クロスからヘディングシュートを放ったが相手に阻まれた。続く16分にはDF大神優斗(3年)がゴール前に入れたボールから、上手くシュートに持ち込んだが、ゴールカバーに入ったDFに防がれた。

 ゴール前の嗅覚に優れたストライカーであるため、東海大熊本星翔のDF陣も一瞬たりとも目を離さない。背後へのスペースを消された上に、ボールを持ってもすぐに複数が潰しに来る。それでも山下は「前半は相手が2人来ていたし、シュートまで持ち込もうとしたところも読まれていた。ただ、やり続けるのは相手の体力的に限界があるので、やり続けることでスペースが空いてチャンスが来るかなと思っていました」と前線でチャンスを伺い続けた。

 歓喜の瞬間が訪れたのは後半4分。右サイドを抜け出したMF舛井悠悟(3年)がゴール前に速いボールを入れると、反対サイドから山下が上手く走りこんでダイレクトでシュート。この一撃がゴールネットを揺らし、大津が先制した。

「1点を取ったら止められない選手になってきている気がする」と胸を張る通り、準決勝も1点取ってからハットトリックまで持ち込んだが、この日もゴールショーは続く。14分にはMF畑拓海(3年)がゴール前にスルーパスを送ると、タイミングよくPA内に抜け出し、2点目を叩き込む。「DFラインの隙があったので、ずっと狙っていました。タイミングよく動いたら、良いボールが来ました」。

 20分には大神がゴール前に入れた浮き球をゴール前に走りこんでダイレクトシュート。ボールはクロスバーに阻まれたが、ゴールラインを割って得点となった。今季はプレミアリーグWESTでも得点を量産しており、第19節を終えた時点で17得点を挙げて得点ランク単独トップ。試合後、山下は「プレミアで得点を取るペースは落ちたのですが、こぼれ球を押し込んだり、得点のパターンが増えてきている。今大会は準決勝でハットトリックできて、決勝もできると思っていなかった。3点とも良い形で決めることができて良かったです」と笑みを浮かべた。

 山城朋大監督も今年に入ってからの成長を認めている。「初速で違いを作れるようになってきた。プレミアリーグの後期に入ってからはずっと(相手に)見られていて、なかなか入っていきたいスペースを空けてくれないチームが多くなってきた。でも、賢い選手なので自分が止まったり、あえてオフサイドラインに入ったり工夫してきた」。

 ストライカーとして成長を続ける男が見据えるのは選手権での活躍だ。2年前は1年生ながらメンバー入りを果たしたが、大会直前の怪我でベンチに入れなかった。昨年は3回戦で昌平高から先制点を奪ったが、自身が交代した直後に追いつかれ、PK戦で敗退。「ピッチの外から仲間が負けている姿を見てきた2年間だったので、最後までピッチに残り、チームのために戦って優勝したい」。そう意気込む山下のゴールラッシュはこれからもまだ続きそうだ。

(取材・文 森田将義)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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