[関東2部]慶應義塾大が2部優勝!! 宙を舞った中町公祐監督「彼らを率いることができて本当に感謝」
ゲキサカ / 2024年11月17日 11時7分
[11.16 関東大学L2部第22節 日本体育大 0-0 慶應義塾大 日体大横浜・健志台キャンパスG
慶應義塾大は16日、関東大学リーグ2部の最終節で2位の日本体育大と0-0で引き分けて優勝を果たした。試合後に胴上げされた中町公祐監督は「彼らが結果を残してくれたのはすごく誇らしい」と部員を称えた。
中町氏は2018年に横浜F・マリノスを退団すると、翌年からザンビアを拠点に活動。昨年11月に現役引退を表明し、今季から出身大学である慶應義塾大の監督に就任した。当初からプロチームの指導者になる予定はなく、「(湘南ベルマーレを退団した2008年に入部した慶應義塾大ソッカー部に)恩返しというところと、学生たちと時を過ごすことが自分の人生でも意味がある」と経緯を示していた。
その中で3部からの昇格1年目となったチームは序盤から首位争いを繰り広げる好調のスタートを切った。夏場には8戦12得点の2年生FW塩貝健人がNECナイメヘン(オランダ)へ移籍するも、勢いを維持して21年以来の1部復帰と2部優勝を果たした。中町監督によれば、エースの退団にも大きな動揺はなかったという。
「学生の中では健人の存在は大きかったでしょうし、僕の中でも彼はスペシャルな選手ですけれど、シーズン当初から4年間いるプレーヤーではないと思っていた。ある程度彼を(当時特別指定先だった)横浜F・マリノスに出したり、戻ってきて試合で使えるところでもあえてあまり使わなかったりとか、いない中での自分の戦術の落とし込みはやってきたつもりなので。ある意味で学生からしたら『海外で頑張っている健人がいる。俺らもやらなくちゃだよね』という感覚なだけで、健人がいなくてどうしようとか攻撃源がとかの話ではなかった」
また「学生サッカーなので結果がすべてではなく、人間形成だったりサッカーを通じた上でのそういった部分を大事に」と指導にあたる中、就任に際して1年での1部昇格を強く熱望されていたわけではないという。それでも「OBとして自分が戻ってきたという意味では慶應のいるべき場所にはこだわりたい。(誰かから言われるわけではなく)自分にプレッシャーをかけていたくらいじゃないですか」と昇格を争う日々を振り返った。
もっとも部員も1部昇格だけでなく、2部優勝という大きな目標を掲げたシーズンだった。「ソッカー部に帰ってきて何よりも学生たちの本気の姿を目の当たりにした」と中町監督。自身が現役引退を決めたタイミングにも触れながら、目標を達成して胴上げをしてくれた部員への感謝を示した。
「僕のサッカー人生は最後、誰かの前で終止符を打てなかった。それが日本のどこかのチームであれ引退のタイミングはあったと思うんですけど、自分はアフリカに行って少し曖昧になった。ああやって人生で初めて胴上げをされて、サッカーを辞めてソッカー部の監督になれて、彼らを率いることができて本当に感謝していますし、良い1年を過ごさせてもらいました」
来年度はより強力な相手と対戦することになる。それでも中町監督は「面白いサッカーをするねと大学関係者なり、プロの方々なりから一定の評価をいただいている。1部に行って勝ち点を拾うとかじゃなくて、自分たちのマネージされた90分を繰り広げたい」と話し、ビルドアップを主体としたサッカーで戦い抜く構え。最上級生となる3年生への期待を示しながら、「来年も同じように慶應の力を示したい」と意気込んだ。
(取材・文 加藤直岐)
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