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「アイツのお陰でやってこれた」「オレの原動力」。日章学園FW高岡伶颯が予選敗退の神村学園FW名和田我空の分までゴール量産と勝利を誓う

ゲキサカ / 2024年11月18日 19時5分

日章学園高FW高岡伶颯主将(左)は日本一に挑戦。抽選会では選手権応援マネージャーの女優・月島琉衣さんからのインタビューも受けていた

 目標としてきたライバルの分もゴールを量産して、勝つ。日章学園高(宮崎)のサウサンプトン(イングランド)内定FW高岡伶颯主将(3年、U-19日本代表)が選手権の組み合わせ抽選会に出席。初戦の対戦相手はなかなか決まらなかったが、最後の最後に西目高(秋田)が日章学園の隣に入り、高岡は「感謝を胸に、まずは初戦で勝てるように準備していきたい」と意気込みを口にした。

 高岡は昨年のU-17ワールドカップでU-17日本代表最多の4得点。だが、注目されて迎えた選手権は、初戦で名古屋高(愛知)の徹底マークに屈し、1試合のみで涙を呑んでいる。それからの1年間、得点力、泥臭く戦うことにもより磨きを掛けてきた。今年6月には注目された進路が、かつてDF吉田麻也やFW南野拓実も在籍したサウサンプトンに決定。だが、より注目される中で迎えたインターハイは、直前の怪我で欠場となり、未だ全国大会で活躍するまでには至っていない。

 それでも、「自分は怪我で現実を見るしかなかったので、それを考えたら選手権に120パーの力で挑めるように調整しようという風に思っていた」というように、選手権で輝くための試練と捉えて努力。リハビリを経て臨んだ選手権宮崎県予選では3試合で6ゴール、決勝では3人抜きのスーパーゴールも決めて優勝に貢献した。

 抽選会前日の17日、鹿児島県予選決勝で神村学園高が鹿児島城西高に敗戦。地元が近く、幼い頃から意識してきたU-18日本代表FW名和田我空(3年)がピッチに仰向けになったまま両手で顔を覆って悔しがる姿を白波スタジアムのスタンドから見た。

「自分の中では名和田と選手権でやるために日章学園に、別々の高校に入学して、『絶対、オマエと国立でやる』っていう風には言ってたんですけど、それがそう簡単には叶わなくて……」と心境を明かす。

「でも、これも選手権だと思っていて。ほんと名和田我空にはこれまで3年間通して色々な刺激をもらって、負けてしまったことはほんとにショックなんですけど、でも、それに屈しない城西のサッカーだって見ててほんとに感動しましたし、我空にはこれからも色々な面で刺激を与える、与えられる存在だと思うんで。今回は自分が選手権で我空の分まで頑張りますし、刺激を与えれるように、この2か月、選手権まで頑張っていきたいなという風に思っています」。高岡は年代別日本代表、神村学園で活躍する名和田の背中を追って世代を代表するストライカーへ成長した。そのライバルへの思いは特別。まだ直接話すことはできていないという。だが、自分の決意を伝えて選手権で名和田の分まで大暴れする意気込みだ。

 宮崎県予選決勝の直後に掲げた得点数は「20」。FW大迫勇也(鹿児島城西高、現神戸)の大会記録は「10」でその目標を実現することが簡単なことではないことは分かっている。ただし、その記録を大きく超えることを本気で目指している高校生ストライカーがいることを全国の人々に知って欲しいという思いも込めて、「20」という数字を口にした。

 インターハイで得点王を獲得した名和田の同大会の得点数は「9」。3年間成長させてくれた日章学園のため、そして「アイツのお陰でやってこれたんで。オレの原動力になった」名和田の分もゴールを量産するか注目だ。初戦から自身、チームの特長をどんどん発揮する考え。そして、歴史を塗り替え、永遠のライバルに刺激を与える。

(取材・文 吉田太郎、写真協力=高校サッカー年鑑)

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