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中国の“狭いピッチ”奇策もサイドから3発…久保建英「軽く蹴った」伊東純也「CKは蹴りやすかった」

ゲキサカ / 2024年11月20日 4時18分

MF久保建英(ソシエダ)が先制アシスト

[11.19 W杯最終予選 日本 3-1 中国 厦門]

 ピッチの横幅を狭めるという中国側の奇策は、日本代表には通用しなかった。サイド攻撃からの3ゴールで勝負が分かれた中国戦後、右CKとクロスから2ゴールをお膳立てしたMF伊東純也(スタッド・ランス)は「試合は本当にやりづらかった」としながらも、「コーナーは蹴りやすかった。近いなと思った」と冷静に振り返った。

 中国側はこの日、前回対戦で0-7の大敗を喫した日本代表をホームに迎え撃つにあたり、厦門白鷺スタジアムのピッチ幅を2〜3m狭めるという奇策を講じてきた。本来タッチラインが描かれる場所には白い跡が残る中、その内側1.5mほどの位置にタッチラインを設定。横幅はFIFA推奨基準の68mではなく、ルールギリギリの64mほどになっていたとみられる。

 この奇策は日本に対し、一定の効果はもたらした。中国は10月シリーズから中央を固める4-3-1-2の布陣を採用しており、ピッチ幅を狭めることで横へのスライドを省力化。また日本は3-4-2-1のシステムでサイドを有効に使う攻撃を志向していることもあり、「ピッチを狭めてうまくコンパクトに守っていた。縦に行くのはちょっと難しかった」(伊東)という難しさがあった。

 ただ、ピッチ幅の狭さは前日練習の時点で調査済み。日本もしっかりと対策を講じていた。

 先陣を切ったのはMF久保建英(ソシエダ)だった。「何もないところのサイドチェンジはグラウンドが広くないと難しい。なので2列目の選手が裏抜けをすることで、たとえば僕の裏抜けの後に伊東選手にボールが入っていたけど、そういう動きがないと相手の運動量が落ちていない前半は難しかったのかなと」(久保)。囮の動きで右サイドの攻撃を活性化させ、久保のシュートで獲得した右CKから先制点が生まれた。

 前半39分に決まった先制点は久保の蹴ったアウトスイングの左CKがFW小川航基にぴたりと合う形だったが、ピッチ幅に合わせて「軽く蹴ってますね。通り越しちゃうので」と調整していた久保。もしキックがニアに飛んでも味方が合わせられるよう準備が行われていたこともあり、久保は「セットプレーの采配が当たっている」と分析スタッフへの賛辞も送ったが、それも含めて相手の対策を上回る一発だった。

 また前半アディショナルタイム6分には伊東の右CKを町田がそらし、ファーのDF板倉滉が飛び込む形で追加点を奪うと、後半9分には伊東からのクロスがファーサイドの小川にピタリ。いずれも中国守備陣がゴール前の対応で後れを取っていた。

 試合後、GK鈴木彩艶(パルマ)は「普段より幅が近いとクロスやCKの判断スピードに難しさがある」と口にし、チームとしてクロスやセットプレーに警戒していたことを明かしていたが、攻撃側の駆け引きではこれを逆手に取った形。相手の奇策にも動じなかった森保ジャパンがしたたかに勝ち点3をもぎ取った。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア最終予選特集

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