[プレミアリーグWEST]選手権予選決勝から先発総入れ替えの静岡学園が健闘。東福岡の堅守に苦しむも、0-0で残留決定
ゲキサカ / 2024年11月22日 13時44分
この日は柴田、大坪、福川に加え、CBとして本職中盤の塩崎が最終ラインに入っていたが、柴田が「本当にどこでもできるし、本当に信頼あるんで。慣れないポジションだったけど、ほんとに頑張ってくれた」と評するプレー。動き出しの質の高い相手FW大木に苦戦した部分もあったが、シュートを打たせなかった。加えて、東福岡は試合のポイントに挙げていたという加藤、池田の静岡学園の両翼に対しても、SBと中盤の選手が人数を掛けて対応。スペースを与えず、相手に強みを出させない。
東福岡は本来中盤の塩崎響がCBで奮闘東福岡は相手のサイド攻撃を左SB柴田陽仁主将らが封鎖
だが、静岡学園も切り替えの速い守備によって四海らが高い位置での奪い返しに成功。特に山縣と藤本のダブルボランチが回収の部分で健闘し、選手権予選で大活躍の相手FW伊波を186cmCB吉田が身体を張って食い止める。また、試合を通して矢澤、国領、今田もゴール前で集中して守っていた。
静岡学園は2年生の186cmCB吉田俐軌が東福岡FW伊波樹生相手に健闘
この日、静岡学園は相手のプレッシングに苦戦。DFラインからボールを運ぶことがなかなかできなかった。だが、「真ん中の藤本と山縣は良かった」(川口監督)というように、存在感のあった山縣、藤本のダブルボランチのところで前進し、山縣のスルーパスや加藤と大木のコンビネーションでチャンスも作る。
静岡学園のMF藤本虎之介は攻守で効いていた
東福岡は18分、左サイドから攻め、最後は中央の児玉がドリブルシュート。25分には神渡が佐藤とのワンツーで左サイドを抜け出し、ラストパスを通す。だが、児玉の決定的なシュートを静岡学園GK野口がビッグセーブ。東福岡はなかなかサイドから出ていくことができず、この決定機のように神渡と児玉の両ウイングと佐藤、西田の絡んだ崩しの回数を増やせなかった。
東福岡MF児玉愁都の決定的なシュートを静岡学園GK野口晟斗がストップ
静岡学園は後半開始から池田とFW上田悠世(2年)を入れ替え、東福岡も西田とMF杉谷俊哉(2年)を交代した。静岡学園は10分、上田が敵陣で前を向いて前進すると、加藤の左クロスに上田が飛び込む。
だが、普段に比べると、後半も後ろに重く、大谷らがセカンドボールを回収する東福岡の攻撃を受ける形となった。東福岡は14分に児玉と伊波を切り札のMF稗田幹男(3年)とFW山口倫生(2年)へ交代。稗田との連係でPAへ飛び出した右SB福川がGKをかわすシーンがあったほか、カウンターから山口、神渡と繋ぎ、杉谷と稗田がチャンスを迎えるシーンもあった。だが、静岡学園は矢澤や吉田、今田がカバーリング、またシュートブロックして得点を許さない。東福岡も190cmGK後藤がハイボールの処理など雨中で安定感の高い動き。185cmCB大坪も高さを発揮するなど、相手の前に立ちはだかっていた。
静岡学園のU-16日本代表MF山縣優翔は攻守に存在感のある動き。後半も要所でセカンドボールを回収していた東福岡の185cmCB大坪聖央が抜群の高さを発揮
終盤はややオープンな展開に。静岡学園は上田の折り返しに加藤が決定的な形で走り込み、東福岡も稗田が奪い返しから縦に仕掛けて神渡へラストパスを通す。だが、互いに決め切ることができない。静岡学園は後半42分にMF天野太陽(3年)とMF原星也(3年)、同45分にDF望月就王(3年)とMF篠塚怜音(2年)をピッチへ。終盤、ゴール前へ押し込まれたものの、何とか全員で凌ぎ切った。
東福岡は“切り札”MF稗田幹男を中心に先制点を目指した
静岡学園は3試合を残してプレミアリーグ残留決定。川口監督は「ヒガシ相手に失点ゼロだし、(先発メンバーを総入れ替えした中で)良くやったと思います。こういうのがやっぱり自信になって、グッとここから伸びてくるから」と出場チャンスを得た選手たちが勝ち点1を奪取したことを称えていた。
一方の東福岡・平岡監督は今年1年間取り組んできた守備に関して「積み上げた分、出ていると思います」と評価。その一方、攻撃面に関しては準備の部分を含めて指摘し、「まだまだ、(選手権初戦で対戦するプレミアリーグ勢の)尚志さん相手にもっと攻撃できるように。彼らもよくわかったんじゃないですか、この質じゃダメだと」とより質を向上させることを求めていた。ともにプレミアリーグ残留を決め、ここから選手権への準備を兼ねた3試合に。静岡学園はプレミアリーグでの開幕5連敗、東福岡もインターハイ予選敗退と互いに苦しい時期を経験しながら、乗り越えてプレミアリーグ残留と選手権出場を決めている。磨いてきた力を選手権で発揮し、“死のブロック”突破と日本一を目指す。
(取材・文 吉田太郎)
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