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[MOM4947]大津DF五嶋夏生(3年)_苦悩の時期を経て前向きに変化。雰囲気作りと堅守支えた主将が笑顔で「ファイナル出場権獲得」のボードを掲げる

ゲキサカ / 2024年11月25日 19時20分

 プレミアリーグWEST首位で迎えたインターハイ予選は、「勝たなければならない」と考えすぎて動きが硬くなってしまう部分があった。この大会は優勝したものの、インターハイは初戦で敗退し、優勝を目指した和倉ユース大会でも準々決勝敗退。決して順風満帆の1年ではなかった。

 五嶋は「(夏から秋は)チームとしても本当にネガティブな状況で、自分もどうすればいいのかなっていう風な、本当にマイナスな気持ちにもなっていましたし。そういった中で、本当に山城先生には常に厳しい言葉を掛けてもらって。自分がマイナスな気持ちになることで、チーム全体としてもそういう雰囲気にさせてしまうっていうのは、山城先生の言葉で気づくことができました」。また、副主将のFW山下景司(3年)やブレイズ熊本時代からのチームメートで同じクラスのMF嶋本悠大(3年)やDF野口悠真(3年)の気遣いや声がけによって、前を向くことができた。

 主将の変化をチームメートたちも感じていた。この日決勝点のMF溝口晃史(3年)は「やっぱり(9月に)サンフレッチェに負けたあたりから、どんどんこう前に出るっていうのも強くなってきて、キャプテンらしい言動や振る舞いが多く見られるかなと思っています」と語り、MF畑拓海(3年)も「夏生は言わないといけない時に自分がそれを発言することで、自分が嫌われ役に回るっていうのはあるんですけど、そういうのを彼は一切気にせずに、やっぱりチームのことを考えて言う時もありますし、メリハリを持たせてくれるすごい頼りがいのあるキャプテン」とコメント。指揮官はこれまで指導した主将の中で最もコミュニケーションを取っているという五嶋への信頼を口にした上で、鹿島でブレイク中の元主将のような人間になって欲しいと期待する。

 山城監督は、大津の主将で特に印象に残っている存在としてDF濃野公人(現鹿島)の名を挙げ、「本当に大人と接してるようでした。彼らとチームを作った時間は僕の中でも凄く勉強になったし。だから、キャプテンをする選手には公人みたいな人間になってもらいたい」。五嶋は、1年時から我慢強く起用してもらったことで、成長を加速。高さと強さ、速さも備える五嶋は高校世代トップクラスのCBとなった。大津でプレーヤーとして、人間として成長した主将はチームメートとともにより成長し、プレミアリーグファイナルを迎える意気込みだ。「選手権も意識しないといけないですけれど、まずはファイナルですね」。恩師やチームメートに支えられながら大津の歴史を変えた主将が、次は“日本一”を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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