ジーコ氏が来夏に広島でチャリティマッチ開催へ、ロナウジーニョ氏の参戦も発表

来年7月に広島でチャリティマッチを開催する(ZAGH制作委員会提供)

「Zico All-Star Game Hiroshima製作委員会」は27日、来年8月に被ばく80年を迎える広島での特別イベントの一つとして、2025年7月にエディオンピースウィング広島で国際チャリティマッチを開催することを発表した。

　この日は開催を宣言するプレイベントを実施。世界的なレジェンドである鹿島アントラーズ・クラブアドバイザーのジーコ氏が出席し、同市内の平和記念資料館を訪れるなど、チャリティマッチ開催へ思いを寄せた。

　同チャリティマッチは、ジーコ⽒と長男のジュニオール⽒が代表を務め、「Jogo Das Estrelas」として、毎年1回ブラジル国内にて世界平和を願って開催されてきた。そのなかで今回、国外初の広島開催が決定。元ブラジル代表FWのロナウジーニョ氏の参戦もサプライズで発表された。

「ビックスターを呼んで平和のメッセージを発信していく。この20年間、ロナウジーニョは来てくれていなかったので、今回は参戦してもらって、日本で、皆さんの期待を裏切らないように選手を決めて招待していきたい」(ジーコ氏)
これまでブラジル国内で行ってきたチャリティマッチが国外初の広島で開催される(ZAGH制作委員会提供)
　この日はイベントの一環で平和記念資料館を訪れ、施設見学や、平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑へ献花した。「資料館を訪問して、当時の痛み、悲しみ、家族含めて日本全国が痛みに囲まれたと思うが、やっぱり素晴らしい日本に作り直して、素晴らしい広島に立て直し、やっぱり日本は凄いと思った。もちろん数年前に広島を訪問したことがあるが、選手としても違う意味合いで来ていた。今回はセレモニーとしてもっと日本人を尊敬できた。これだけ立て直せる、日本人の力が素晴らしい」と、2回目の資料館訪問で心境も新たにした。

　チャリティマッチへの思いもまた深めた。ジーコ氏は18歳から社会貢献活動に関わっている。来年は被ばく80年でもあり、日本とブラジルの外交関係樹立130周年、チャリティマッチ20周年という節目。「次世代に残していく、人助けというメッセージを残していく。皆さんに伝えていきたい」と強い気持ちを訴えた。

　世界では今もなお、戦争で苦しむ人たちがいる。「本当はこんなつながっている世界なのに、まだ(戦争が)続いているのが信じられない。サッカーというもので、幸せ、笑顔、皆さんへの良いことを発信していきたい。サッカーで、チャリティイベントで全世界に発信していきたい。スタジアムの名が最も合っている」。エディオンピースウィング広島で開催されることにもジーコ氏の平和へのメッセージが込められていた。
献花をするジーコ氏(ZAGH制作委員会提供)