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[MOM4965]福岡U-18DF樺島勇波(2年)_失点に絡んだままでは終われない…ラストプレーでチームに歓喜をもたらす劇的決勝弾!!

ゲキサカ / 2024年12月12日 14時14分

劇的決勝弾のアビスパ福岡U-18DF樺島勇波(2年)が歓喜の疾走!!

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 アビスパ福岡U-18 3-2 岡山学芸館高 Balcom BMW 広島総合グランド]

 2失点目に絡んだ。残された時間は約35分。まだ挽回できる。そう信じて最後まで戦い続けた男が、土壇場で大仕事をやってのけた。

 後半9分、12分に失点し、0-2と2点のビハインドを背負ったアビスパ福岡U-18(九州1、福岡)。しかし、キャプテンの右SB池田獅大(3年)、エースストライカーのFW前田一翔(3年)のゴールで追い付き、後半アディショナルタイムを迎える。表示された2分は過ぎ、プレーが切れれば延長戦突入が濃厚な状況だった。その中で左サイドでFKを獲得する。MF楢崎佑馬(3年)がゴール前に送ると、弾かれたボールを拾って再び中へ。その流れからFWサニブラウン・アブデルハナン(3年)が競り、相手GKの前にこぼれる。ここに走り込んできたのが、DF樺島勇波(2年)だった。

「セットプレーで上がった時は常に準備をしている。ハナンが競り合った瞬間、これは来るなと感じた」

 溢れてきたボールに反応した樺島は狭いエリアを抜け出し、ネットを揺らす。その直後に試合終了のホイッスルが鳴り響き、歓喜の輪ができた。

「何も考えられなかった」

 決まった瞬間の状況はよく覚えていない。気が付いたら仲間にもみくちゃにされていた。

 汚名返上。失点に絡みながらもミスを取り返し、ヒーローとなった男は中学1年で福岡のU-15に加入。しかし、北九州から1時間半かけて練習場に通うのは困難を極めた。学校から帰ってきた30分後には家を出るため、友達と遊ぶ暇はない。帰宅も23時前後で、自由な時間はほとんどなかった。

 その中で技を磨き、高校1年次にU-18チームへ昇格する。高校では寮生活を選び、負担は軽減。寮の側には人工芝グラウンドが完備されており、誰もが羨むような環境でサッカーに全精力を傾けた。全てはプロサッカー選手になるため――。その成果は徐々に現れ、今季はトップチームのトレーニングも経験。FWウェリントンらとマッチアップし、多くの学びを得た。

「身体がとにかく強い。海外はフィジカルに特徴がある選手が多いので、それを考えたらもっと鍛えないといけないと思った」

 憧れは神戸のDF菊池流帆。「気持ちが強いし、チームも鼓舞できる選手なので参考にしています」。この岡山学芸館戦でも最後尾から盛り立て、仲間のために戦い続けた樺島は来季プレミアリーグの舞台に立つ。新たな挑戦に胸を躍らせるCBは、更なる成長を目指して準備を進めていく。

(取材・文 松尾祐希)
●高円宮杯プレミアリーグ2024特集●高円宮杯プリンスリーグ2024特集

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