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松井大輔引退試合のクライマックスは“友達”駒野のPK成功「たくさんの人が喜んでくれる演出ができた」

ゲキサカ / 2024年12月15日 19時37分

駒野さんのPK成功を全員で喜んだ

[12.15 松井大輔引退試合 MATSUI FRIENDS 6-12 JAPAN FRIENDS ニッパツ]

 クライマックスは本当の最後に用意されていた。オープンな展開となった終盤戦。主役の松井大輔さんが7得点を決めるハイパフォーマンスを披露して大盛況のままに終幕するかと思われたゲームだが、後半45分、JAPAN FRIENDSのMF香川真司がエリア内に入ったところで、元レスリング選手の吉田沙保里さんがタックル。“お約束”のレッドカードでPKの場面を演出する。

 ここで場内ビジョンに「あれから14年…」としたVTRが流れる。2010年に南アフリカで行われたワールドカップで、ベスト8入りをかけたパラグアイ戦。PK戦までもつれた一戦で、3人目で蹴ったDF駒野友一さんがクロスバーに当てる失敗で敗退が決まった場面が、緊迫感を演出した画像とともに流れた。そして当時を再現するかのように駒野さんがキッカーに指名されると、全員が肩を組んで状況を見守る。14年越しにゴールネットが揺れると、大きな祝福の輪が作られた。

 “友達”としての心遣いだった。小学生の時からの付き合いになるという2人にとって、一緒に出場した南アフリカのW杯は掛けがえのない思い出。そして帰国後に駒野が、そして家族が経験した苦しみを、一緒になって乗り越えてきた。「それを払しょくするためにも、うまくできればと思っていた」と笑顔で話した松井さん。「友達として。たくさんの人が喜んでくれる演出がちょっとはできたのかなと思います」と納得顔をみせた。

 ただ演出には少し誤算もあった様子。“吉田さんのタックル”が前日14日に行われた中村憲剛さんの引退試合で話題をさらってしまった。松井さんも「まさか沙保里さんがタックルするとは思っていなかった」と苦笑いをみせると、「2回目になってしまったけど、自分はタックルを受けたくなかった。ずっと考えながら、最終的に(香川)真司がやってくれるということで、昨日の夜中に決まった」と裏話も明かした。

 当の駒野さんも友人の気遣いに感謝を語る。「吉田さんがタックルをしてというのは聞いていなかった」と駒野さんにもサプライズがあったことを明かすと、「やるしかないですよね。あそこまで準備もしてくれて。そこは拒否はできなかった」。この試合でみせた最高潮の盛り上がりに「自分の引退試合かのように、あの時だけは思いました」としてやったりの様子だった。

(取材・文 児玉幸洋)

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