涙の“敗退勘違い”から2日、広島大が「自分たちのサッカーで」関東勢破って強化ラウンド準決勝へ
ゲキサカ / 2024年12月17日 23時48分
2日前には敗退と勘違いしていた選手も多く、山邊は照れ笑いを浮かべながら「ミーティングをしていく中で次勝ったらほとんど(準決勝へ)いける状況になったと色々な人が伝えてくれて、じゃあやるしかないなという気持ちになりました」と当時の状況を説明。「レギュレーションを調べて伝えてくれたスタッフの方には感謝しないといけないと思って、気持ちを切り替えて頑張ろうってなりました」と決意新たに臨み、目標を果たした。
上泉監督によると「広大120年の歴史で関東に勝ったのは初めて」。今季で退任する指揮官にとっても嬉しい勝利になったが、ここまでには様々な苦労があった。国立大のため十分な運営費を用意することはできず、今大会での大学からの強化費もゼロ。上泉監督が2017年11月の監督就任以降に自腹を切った合計は相当な額に到達しているという。
また山邊は学業への比重が大きい広島大ならではの難しさを示す。テスト期間は練習に参加できない部員が発生することも珍しくなく、「練習の強度が落ちたりとかはあるので、そういうときにどんな声をかけるかつねに意識してやってきた」。現在の4年生は今回のインカレが入学から4回目の全国大会になっているため、経験値を積んで他地域にも渡り合えるチームづくりが進められてきた。
強化ラウンドを優勝すれば来季、中国大学リーグからのインカレ出場枠が1つ増加する。現在はわずか1枠という中での同ラウンド4強入りに指揮官は「地方にはまだ夢がある」と頬を緩ませる。準決勝ではGL3連勝の中央大と激突。上泉監督は「上のレベルに広大のポゼッションサッカーが通じるかチャレンジする。選手もチャレンジしたいと(言っていた)」と意気込み、東海大戦で掴んだ自信を発揮する構えだ。
(取材・文 加藤直岐)
●第73回全日本大学選手権(インカレ)特集
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