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2024年のJ1は試合数増加もVAR関連エラー減少、JFA審判委が判定データを公開

ゲキサカ / 2024年12月19日 20時27分

今季のデータが公開された

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会は19日、都内でレフェリーブリーフィングを開催して2024シーズンの判定データを公開した。J1はチーム数の増加に伴って昨季より試合数が増加する中で、今季全380試合でのVAR関連エラーは昨季の24回(306試合うち1試合はVAR未実施)から16回に減少した。

 今季のJ1はVARオンリーレビューが39回、オンフィールドレビューが80回。介入頻度は3.2試合に1回で、昨季の2.9試合に1回よりも低下した。佐藤隆治JFA審判マネジャーは「(試合が)止まっている時間をできるだけ短くするために何をするかというところは正しい判定(をする)ということ。何回も入って(レビューなどの)スピードを上げるより、一番良いのはやっぱり入らないことだと思うので、そういったい意味では僕らはポジティブに考えています」と前向きに捉えた。

 副審の正確な判定が介入頻度の低下に繋がった。今季は攻撃側選手の際どい抜け出しが目立ったというが、オフサイドを主とするVARオンリーレビューの総数「39」は昨年と同じ値。佐藤氏は「試合数が増えているんですけど同じ数字。副審の判定率が高かったといえるかなと思っています」と見解を述べ、「チェックをしてコンファーム(確定)という形ができている証拠」と話した。

 その上でVARに関する判定精度が向上し、昨季よりVAR導入試合が75試合増加する中でVAR関連エラーは8回少ない16回となった。内訳はVARオンリーレビューするべきだった事象が3回(オフサイド3回)、VARオンリーレビューするべきではなかった事象が1回(オフサイド1回)、オンフィールドレビューするべきだった事象が8回(PK4回、PK取り消し3回、著しく不正なプレー1回)、オンフィールドレビューするべきではなかった事象が4回(PK3回、APP1回)だった。

 佐藤氏は「去年から試合数が多くなっているところでこのエラーを減らすんだと意識してやってきた結果、16回に減ったというのはひとつ成長している」と一定の手応えを示しつつ、「減っているからいいだろうというつもりは全くありません」と強調。「これは100点満点ではないし、どうやって限られた時間の中で正しいジャッジに持っていくか」とさらなるレベルアップを誓った。


 その一方、VARレビューに要する平均時間はオンフィールドレビューがVARチェックで84.41秒(昨季81.6秒)、主審の映像確認で43.06秒(同43.06秒)と同程度だった。VARオンリーレビューについては129.5秒(同118.2秒)とやや増加。佐藤氏は「決してネガティブには思っていないですけど、アキュラシー(正確性)とスピードの部分は来年も引き続きやっていかなければいけない」と総括した。

 もっともリプレイオペレーターの技術が上がったことや、オフサイドラインの生成を2Dと3Dのどちらで行うかの判断を迅速にしたことなどにより、チェック時間の長期化が避けられない3Dラインを用いた判定変更に要した時間は121.9秒から101.56秒に改善された。

 佐藤氏は得点、PK、一発退場のVAR対象事案に警告2回による退場を加えた「キーインシデント」についてもピッチ上の判定精度が向上し、VAR介入後の最終判定を対象とした判定率は91.2%(昨季は85.2%)になったことを紹介しながら「皆さんに受け入れてもらえる、納得してもらえるレフェリングができるかというのが来年の課題」とコメント。ピッチ上のゲームコントロールやVARレビューに要する時間の短縮化が鍵になるようだ。

(取材・文 加藤直岐)
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