“昌平の控え”から筑波大蹴球部へ、Iリーグ最終節で一度は引退決断も…「このまま終わってしまうのかなと思っていた」4年生DF津村岳杜が感慨のインカレデビュー
ゲキサカ / 2024年12月21日 15時25分
それでもチャンスを掴んだ津村は“現役復帰”後のトレーニングでアピールし、関東大学リーグ1部最終節・駒澤大戦で悲願のトップチームデビュー。「自分が予想していたとおり、意外とやれるなというのはあって、ちょうど2週間休んだことでいい感じに頭もリフレッシュできて、自分が大事にしている“サッカーを楽しむ”姿勢が出てきました」。その結果、最後は「もしかしたらインカレにも出場できるんじゃないかという気持ちもどんどん上がってきた」ほどに自信を掴み、全国メンバー入りを勝ち取った。
インカレは今大会からグループリーグ制が採用されていたが、開幕2試合の東海学園大戦(◯3-0)、大阪体育大戦(△0-0)は出番なし。それでも最終節でついにお呼びがかかった。「5-1で入ったので自分のやるべきタスクは試合を綺麗に終わらせること。相手はサイドにいい選手が何人もいるので、そこをしっかり封じて、ここからは絶対にゼロで締めるぞという形で入りました」。チームを支える覚悟は決まっていた。
その想定どおり、チームは終盤に交代選手が立て続けに入ったこともあり、相手のサイド攻撃を受けに回る展開に。ただ、津村は時には力強く、時にはしたたかな駆け引きで応対し、最終ラインに安定感をもたらした。また左足のキックでも存在感リスクに応じたプレー選択で堅実な配球を続け、試合を締めくくった。
誰もが立てるわけではない全国のピッチで刻んだ第一歩。プレータイムは約30分間だったこともあり、取材依頼の声掛けに「本当に自分(への取材)ですか?」と困惑まじりの笑みを浮かべた津村だったが、待望の全国デビューへの思いを問うと「自分の中では感慨深いし、ここまでサッカーしてきて良かったなと純粋にそう思います」と喜びを語ってくれた。
それでも目線はすでに次を向いていた。準々決勝の相手は今季の関東王座を譲る形となった明治大。ここからは引退をかけて臨む一発勝負の戦いが続く中、津村はもう一段階、深い覚悟を持って臨むつもりだ。
「自分の中では延長戦のような感じだったけど、次は明治。ずっとライバル視しているチームだし、新人戦から何回も当たってきたチーム。しっかりと明治に勝つことで、俺らが今年は日本一を取るんだぞということを全国に示せるチャンスだと思う。自分の中でもチームとしても、もう一回引き締めて優勝目指して頑張っていきたいです」。津村岳杜のサッカー生活はまだ終わらない。
(取材・文 竹内達也)
●第73回全日本大学選手権(インカレ)特集
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