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明治完封、PK成功、それでも届かず涙…筑波大主将DF福井啓太は“RB変革元年”大宮帰還へ「自分が中心になってやっていく気持ちで」

ゲキサカ / 2024年12月24日 20時50分

 名門・筑波大の主将という重圧は、ただでさえのしかかるものだが、キャプテンシーを真に発揮できるのはピッチに立ってこそ。この日、福井がその覚悟どおりのパフォーマンスを見せ、120分間の死闘を無失点でくぐり抜けた。

 また福井のメンタリティーは続くPK戦でも表れた。自身はグループリーグ大阪体育大戦(△0-0)の後半、勝ち越しのチャンスでGKに止められていたが、この日は負けたら終わりの5人目キッカーとして登場し、「実際はめちゃめちゃ緊張した」という中で成功。「(相手GKの)上林選手の1人目から4人目までの癖や、動く速さを見て、真ん中だったら行けるという強い気持ちで蹴った」という冷静な駆け引きが光った。

 しかしながら、次のステージにはあと一歩届かなかった。「お互いにチャンスがある中、決め切るところ、最後の最後でちょっと触れば点が入るという紙一重のところで決め切れなかった。それがPKでも出てしまった。最後は気持ちのところになってしまうと思う」。細部に宿った違いを悔やむしかなかった。

 それでも筑波大の主将を背負った重圧と経験、ハイレベルなポジション争いと向き合った苦悩や実績は次のステージに活かすしかない。

「今年はサッカー選手としても、一人の人間としても本当に成長できたと実感しています。それはプロの世界に入ってからも絶対に活きてくると思うし、キャプテンという立場をして良かったなと思える1年だったと思います」。福井は来季、アカデミー時代を過ごした大宮アルディージャでプロ生活をスタートさせる。

 大宮は今季、J3リーグを優勝し、来季は2年ぶりにJ2リーグで戦うことが決定。またレッドブル社の買収によってRB大宮アルディージャとして生まれ変わることも決まっており、福井のプロ1年目はクラブの“変革元年”としても注目を集めるシーズンになりそうだ。

「クラブとしても来年の1年間は大きな変化を迎える1年になるし、自分は9年間大宮に育てられて、大宮への思い、愛は人一倍ある。そしてこの筑波での4年間を踏まえて、大宮に対して自分が中心になってやっていくくらいの気持ちで1年目からやっていきたい」(福井)

 筑波大で培ったリーダーシップも稀有な能力だが、まずはプロサッカー選手としてピッチに立てるかどうかが大事な勝負。「大学卒のプロ1年目というのは本当に大事だと思うし、その1年間で上に行くか下に行くか決まるくらいの覚悟を持っている。来年1年間はとにかく結果を意識してやっていきたい」。支えとなるのは大きな覚悟と、筑波で積み重ねた自負。そして大学最後の1年で味わった大きな悔しさも胸に、新たなスタートを切る。

(取材・文 竹内達也)
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