大学で躍動する前橋育英高“21年卒”…コロナ禍直撃でプロ入り断念、選手権予選敗退の絶望、神戸内定MFの存在、4年経て“黄金世代”に
ゲキサカ / 2024年12月25日 5時0分
「高校のとき、(Jクラブの)練習参加は自分も含めて誘われていた。だけどコロナの影響で、Jリーグ全チームで練習参加ができなくなった」(熊倉)
前橋育英の選手たちはさらに絶望を味わう。20年10月18日、第99回全国高校サッカー選手権群馬県予選の3回戦。県6連覇していた前橋育英は桐生一高に2-3で敗れた。「前育は“絶対全国”と周りから見られているなかで……その順位で終わったんかと」。熊倉らは最終学年で多くの機会を失った。それでも未来への希望は持ち続けたという。
「(県予選敗退から)みんなこのままじゃ足りないということがわかった。そのなかで櫻井は高校から代表で活動して、常に上を目指していた。俺たちは大学で別れたけど、上に(櫻井という)存在がいることは大きかった」
大学に進学すると、同期たちは徐々に頭角を現していった。中村は大学3年次に関東大学リーグ1部で得点王とアシスト王に輝き、今シーズンも2年連続でW受賞。キャプテンとして明大を2年ぶり8度目の優勝に導いた。新井は3年次に東京V内定が決まり、その年には特別指定選手としてJリーグデビューと初ゴールも果たした。稲村も3年次に新潟行きが決まると、今シーズンは特別指定選手ながら新潟の主力としてルヴァン杯決勝進出にも貢献した。
熊倉も同期に続いて来季からの活躍を見据える。双子の兄・弘貴との別れは「違和感というか、想像つかない」と惜しみつつ、「ルヴァン杯や天皇杯で対戦するチャンスもある。プロでどれくらいお互い成長しているか」と楽しみにもしている。
「自分は開幕からスタメンを狙っている。1年目は経験と言わずに、チームが勝つための一人の選手になりたい。キャンプから(ポジション)争いが始まると思うので、楽しみでしかない」(熊倉)。大学4年間を経て、大きく成長した前橋育英21年卒。ポテンシャルを開花させた“黄金世代”は、来季からJリーグを盛り上げていく。
(取材・文 石川祐介)
●第73回全日本大学選手権(インカレ)特集
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