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[MOM4976]正智深谷MF近藤七音(3年)_「今年の代はスーパーな選手がいない」奮起する背番号10が“ヒーロー宣言”通りの決勝弾

ゲキサカ / 2024年12月31日 19時18分

MF近藤七音(3年=FC多摩ジュニアユース)

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[12.29 選手権1回戦 正智深谷高 2-1 長崎総合科学大附高 NACK]

 1-1で迎えた後半13分、時間を経るごとに存在感を高めていた正智深谷高の背番号10が思い切りの良い右足フィニッシュで試合を決めた。

 MF近藤七音(3年=FC多摩ジュニアユース)がこだわったのは、MF吉田匠吾(3年)が左ハーフスペースに抜け出した時のポジショニングだった。「(対戦相手の)総附はあそこのポケットを取った時、ニア固めでゴール前を固めてくるので、マイナスの位置でフリーになるのは事前情報でわかっていた」。想定どおりにパスを受け、右足一閃。シュートは甘いコースに飛んだが、GKマガリェンス・アルナウドの手を弾いてネットに突き刺さった。

「本当はもっと右のいいコースを狙おうと思っていたけど、ダフって落ち気味になってGKの真正面に行ったけど、でも入ってよかった」。そう照れ笑いを浮かべた近藤だが、県予選を通じても今大会初ゴール。「県予選では何もできずに結果を出せていなかったので、個人として結果を残すのをこの大会で目標にしていた。それができて嬉しかった」と待望の結果を喜んだ。

 そんな近藤は試合前、小島時和監督らコーチングスタッフに「今日は僕がヒーローになります」と宣言していたという。

「監督からは今年の代はスーパーな選手がいないと言われていた。先輩が全国に出た代はオナイウ阿道さん、いまコーチをしてくださっている清水和哉さんがスーパーな選手だったけど、自分たちにはいない。でも、誰がその試合でスターになれるかということでやっている。自分は県予選で何もできなかったので、今日は絶対に自分が点を取って勝てるようにと意識していた」(近藤)

 その言葉どおり、この日の近藤はゴールシーンだけでなく、マンツーマン気味に寄せてくる相手に対するボールキープでも圧巻の存在感。「相手の矢印が強く来るのはわかっていたので、足元で受けるより相手のギャップで受けて、そこで受けれれば相手が一つ遅れてくるので、その矢印を使って逆を突こうと思っていた」。そのプレーはリードを守る展開でひときわ効いており、まさにヒーローにふさわしい働きをやり遂げた。

 中学時代を過ごしたFC多摩では日本クラブユース選手権(U-15)大会で全国を経験したが、終盤のみの起用にとどまった過去も持つ近藤。「エフタマでは良い選手が多くてあまり試合に出ることができなくて、全国の舞台はこれがほぼ初めて。そこで結果を残せたことが良かった」。正智深谷での3年間で「どう自分の武器を出して行くかを身につけた」という成長も印象付ける大活躍だった。
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(取材・文 竹内達也)
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